太陽フレアに伴う磁気嵐で「低緯度オーロラ」が出現 5月11日(土)夜

2024年5月12日(日)6時40分 ウェザーニュース

2024/05/12 06:00 ウェザーニュース

5月8日(水)から複数回発生している大規模な太陽フレア・CME(コロナ質量放出)の影響で、昨日5月11日(土)から磁気嵐が観測されています。
11日(土)夜は北日本や北陸などでオーロラが観測できたという報告が相次ぎました。北海道では肉眼でもうっすらと見えた所があったようです。
ウェザーニュースでは北海道のなよろ市立天文台「きたすばる」に設置協力をいただき、臨時で高感度ライブカメラ配信を行いました。YouTubeからどなたでもご覧頂けます。

太陽フレアが複数回発生

太陽からは電磁波や光だけでなく、プラズマ状態の粒子が常に放出されています。太陽風と呼ばれるこの流れは、地球磁気圏があるおかげで大部分は押しのけられています。
フレア・CMEなどが起こると太陽風が暴風と化し、地球磁気圏をゆがめることがあります。地上では磁気嵐として観測され、磁気圏の隙間から極地域の大気圏に入ってくるプラズマ粒子が増加します。
プラズマ粒子が地球の大気と衝突することで発光するのがオーロラです。普段は緯度が60度よりも高い地域で見られるオーロラですが、磁気嵐の発生中はより低い緯度でもオーロラや“SARアーク”といった現象が観測されることがあります。
5月8日(水)から今日11日(土)にかけて複数回にわたり大規模な太陽フレア・CMEが観測されていて、その際の太陽風が到達する11日(土)頃からの数日間は、磁気嵐が発生するものとみられます。

ヨーロッパやアメリカでオーロラを観測

日本時間の11日(土)は低緯度オーロラが観測されています。イギリスなどヨーロッパの北緯50度前後の地域や、北米大陸ではアメリカ本土の北緯45度以南の地域でもオーロラの観測が報告されました。
逆に、アラスカなど北半球の高緯度の地域では5月〜8月にかけては夜中に空が真っ暗にならないため、オーロラの観測には向いていないシーズンとなっています。

国内でも低緯度オーロラを観測

この磁気嵐が継続しているため、日本国内でも低緯度オーロラが見られた地域がありました。
国内で見られたオーロラは、北の低空が薄く赤〜ピンクに染まるというタイプでした。カメラを用いた高感度撮影では東北や北陸からも観測に成功したという報告が届いています。
北海道では肉眼でもうっすらとピンクのオーロラが見えたという報告も届いています。
今後数日は観測できる可能性がありますが、明日13日(月)にかけては国内の広範囲で天気が崩れるため、観測条件は悪くなります。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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