兵庫・斎藤元彦知事、パワハラ研修を受講…「内部通報しやすい環境づくりが大事と教示いただいた」
2025年5月12日(月)22時1分 読売新聞
研修を受ける(手前左から)斎藤知事、服部副知事ら兵庫県幹部職員(12日午後、兵庫県庁で)=前田尚紀撮影
兵庫県の斎藤元彦知事は12日、県幹部約120人とともに、パワハラ対策や公益通報者保護制度についての研修を受けた。4時間以上にわたり、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」などを学んだ。
研修は昨年12月、パワハラ疑惑など斎藤氏に関する内部告発を調査した県財務部から実施を要請されていた。斎藤氏は当初、3月末までに受ける意向を示していたが、公務や講師の日程調整が難航した影響で、先延ばしになっていた。
「組織マネジメントやパワハラ対策」「公益通報者保護制度」「個人情報保護制度」の3部構成(計4時間20分)で、各部の冒頭のみ報道陣に公開された。斎藤氏と幹部ら33人が県庁で受講。88人が別会場で、オンライン中継で受けた。
公表された研修資料や県への取材によると、第1部ではコンプライアンス(法令順守)に詳しい「中川総合法務オフィス」の中川恒信代表が「パワハラのない風通しの良い職場づくりに向けて」をテーマに講演。アンガーマネジメントに関しては、怒りが募った際、「怒りのピークとされる6秒を、深呼吸などをしてやりすごす」といった対策を紹介した。
第2部では、公益通報者保護制度に詳しい日野勝吾・淑徳大教授が「組織の不正を早く見つけるための制度。通報者の特定や探索行為は絶対的に禁止しなければならない」と指摘した。
斎藤氏は終了後、記者団の取材に「大変充実した研修だった。学んだことを組織マネジメントに生かしていきたい」と述べた。公益通報者保護制度については、「内部通報しやすい環境づくりが大事ということを教示いただいた」と語る一方、内部告発を巡る県の対応については、「適切」という従来の主張を繰り返した。