石破首相「特定人物に利益得させる恣意的取引あってはならない」…空港ビル社利益供与疑惑、国交省指導

2025年5月12日(月)17時43分 読売新聞

衆院予算委員会で答弁する石破首相(12日、国会で)=川口正峰撮影

 国土交通省は12日、羽田空港ターミナルビルのマッサージチェア(MC)事業を巡る疑惑について、「日本空港ビルデング」(東証プライム上場、東京)に対し、行政指導にあたる文書厳重注意をした。法令順守体制の見直しと経営陣の意識改革を進め、空港利用者の信頼回復に取り組むよう求めるとともに、今後3か月ごとをめどに再発防止策の実施状況を報告することも要請した。

 国交省は文書の中で、古賀誠・元自民党幹事長(84)の長男(52)が経営するコンサルティング会社「アネスト」(東京)に空港ビル社が続けた利益供与について、「空港ターミナル内で長年にわたり不適切な行為を続けてきたことは、コンプライアンス意識の欠如とともにコーポレートガバナンスが機能不全をきたしており、空港利用者の信頼を損なうもので誠に遺憾だ」と指摘した。

 9日付で副社長から昇格した田中一仁社長(60)は文書を受け取った後、「厳重注意を厳粛に受け止めている。しっかり再発防止に努めていく」と取材に話した。

 空港ビル社の特別調査委員会は9日、MC事業を巡る長男側への利益供与は2006〜16年で総額約4億3000万円に上ると認定。利益供与は空港内に掲示する広告の募集業務などでも繰り返されており、一連の取引を主導した前社長の横田信秋氏(73)と前会長の鷹城勲氏(81)は、いずれも9日付で引責辞任した。

 この疑惑について、12日の衆院予算委員会で石破首相は「(空港ビル社には)組織のコンプライアンス体制の見直し、経営陣の意識改革を進めながら信頼回復に取り組んでいただきたい」とした上で、「特定の人物に経済的利益を得させる目的で恣意しい的に取引を行うこと自体、あってよいとは思っていない」と述べた。

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