ごま油カルテル、「かどや製油」と「竹本油脂」に再発防止求める排除措置命令…公取委
2025年5月14日(水)15時31分 読売新聞
公正取引委員会
ごま油などの販売価格を引き上げるためにカルテルを結んだとして、公正取引委員会は14日、食用油製造メーカーの「かどや製油」(東京)と「竹本油脂」(愛知)に独占禁止法違反(不当な取引制限)で、再発防止を求める排除措置命令を出した。かどや製油には、約2200万円の課徴金納付も命じた。
発表によると、2社の営業担当幹部は2022年10月以降、電話や面会を通じて情報交換を繰り返し、大手食品加工メーカーなど3社に販売するごま油や食用ごまの価格を引き上げていたという。竹本油脂は調査開始前に課徴金減免(リーニエンシー)制度で違反を申告したため、課徴金の処分は免れた。
かどや製油と竹本油脂がカルテルを結んだのは、近年、ごま油の原料となるごまの仕入れ価格が高騰していることが背景にあるとみられる。2社がごま油などを販売しているエスビー食品(東京)や丸美屋食品工業(同)、フンドーキン醤油(大分)は、2社の大幅な値上げを受け、販売価格を上げた商品もあったという。
公取委が昨年3月に2社と同時に立ち入り検査を行った「日清オイリオグループ」(東京)と「九鬼産業」(三重)については、違反行為への関与は認定されなかったとみられる。