テントウムシは害虫? それとも益虫?

2020年5月16日(土)5時15分 ウェザーニュース


2020/05/16 05:37 ウェザーニュース

テントウムシを見かける季節になりました。「テントウムシは幸運の予兆」と言われることがあり、多くの人に可愛がられます。しかし、農家や家庭菜園をやっている人にとって、もしテントウムシが害虫だったら、可愛いと言っていられません。テントウムシは害虫なのでしょうか、益虫なのでしょうか。

テントウムシの種類で益虫も害虫も

「ひと口にテントウムシといっても多くの種類があります。食性で分けると、肉食系や菌食系は益虫、草食系は害虫といえます」と言うのは、アース製薬・シニアブランドマネージャー(園芸担当)の佐藤淳さんです。
佐藤さんによると主に以下のように分類できるそうです。
(1)肉食のナナホシテントウやナミテントウなどは、野菜の樹液を吸って加害するアブラムシを食べてくれる益虫
(2)菌食系のキイロテントウなどは野菜の病気の原因になるカビを食べてくれる益虫
(3)草食系のニジュウヤホシテントウなどは野菜の葉や実をかじって食べてしまう害虫

「ニジュウヤホシテントウは“テントウムシダマシ”とも呼ばれ、ナス科のナス・トマト・ジャガイモなどの葉を削り取ったように食べ、家庭菜園で困る害虫です。淡い茶色の体に28個の黒い模様(ホシ)があり、羽に毛が多いためツヤがないのが特徴です。他のテントウムシは基本的に益虫です」(佐藤さん)

害虫テントウムシ退治には農薬使用も

害虫のニジュウヤホシテントウが家庭菜園や草花にいたら、どう退治したらよいのでしょうか。日本家庭園芸普及会の「グリーンアドバイザー」の資格を持つ佐藤さんがアドバイスします。
「手で潰そうとすると臭い汁を出すので、割り箸などで袋に落としてすてます。たくさん発生した場合、通常の殺虫スプレーは使用できません。植物への影響や残留性を評価し登録された農薬を使ってください」(佐藤さん)

葉が茂りすぎると害虫が付きやすい

ニジュウヤホシテントウが家庭菜園などで付かない工夫はありますか。
「暖かくなると越冬したニジュウヤホシテントウがどこからともなく飛んできます。植物をネットで覆うなどしなければ防ぐのは難しいでしょう。ネットが難しい場合は、ニジュウヤホシテントウがなるべく増えない植物管理を心がけましょう。肥料が多くて葉が茂りすぎると害虫が定着しやすくなるので肥料を適正量にし、密集して植えずに風通しをよくしてください」(佐藤さん)
佐藤さんによると、家庭菜園などは葉を観察すると、害虫が食べた食害痕や害虫の卵を見つけることで、早めに対処できるそうです。野菜も草花も愛情を持って育てたいものです。


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