小説家が描写する自らの「うつ」の迫真

5月18日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

5人に1人がうつを経験する時代。うつ病を発症したらこれくらいの期間で治るという見込みがないし、治ったと思っても再発することもあるから厄介だ(写真はイメージです)

写真を拡大


 はたしてうつとはどのような状態なのだろうか。



 幸いにしてこれまであまり憂鬱な気分に陥いったことすらない僕は、それが実感としてはよくわかっていないのだが、うつから抜けた人たちの語る言葉を読んでいると、少なくともその恐ろしさはよくわかる。職場や自分のポジションの変動によってうつというのは一瞬で発生し得るのだから、明日は我が身である。できることならば、うつになる前に回避したいと思う。


 本書『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』は、小説『今日から地球人』などの著作もある作家のマット・ヘイグが、自身が陥ったうつ病と不安神経症と、そこからどうやって生き延びてきたのかを綴った自伝的エッセイである。そもそもどのようにしてうつ病へと落ちていったのか。発症前はどう過ごしていたのか。うつ病のまま日々を過ごすとはどういう状態なのか。なぜうつは理解されにくいのか。どのように回復していき、何が支えになったのか。


恐怖と不安が巧みに

描写されていく。


 そうした、うつ持ち以外には伝わりづらい、うつとはどういう状態なのかが小説家らしい描写力で綴られていくのがまず第一の読みどころだ。『うつ病の身体的症状としてずっしりと体にのしかかる重さがある。ただし僕の場合、重さよりもさらにぴったりなたとえがある。低気圧だ。(……)僕は低気圧にすっぽりはまっていた。外側から見れば、つまり周囲の目に、それから数ヵ月間の間の僕は普通より動きが少し緩慢で、少し元気のない人に見えたことだろう。でも、僕の頭のなかでは、あらゆることがつねに激しく容赦なく、飛ぶように動いていた。』





続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)

ダイヤモンドオンライン

「小説家」をもっと詳しく

「小説家」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ