「主催者の労力にただ乗り」…竜王戦「棋譜」無断利用、ユーチューバーの賠償責任認める初の司法判断

2025年5月21日(水)20時46分 読売新聞

東京地裁

 将棋の竜王戦の「棋譜」を無断利用した動画をインターネットで配信されて損害を受けたとして、竜王戦を主催する日本将棋連盟と読売新聞東京本社が男性ユーチューバーに計約1680万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁(中島崇裁判長、代読・大沢多香子裁判長)は21日、男性に対し、読売新聞に約840万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。

 対局の指し手の進行を示す盤面図や文字の情報である棋譜の無断利用に賠償責任を認めた司法判断は初めて。

 判決によると、男性は2022、23年に行われた竜王戦で主催者の許諾を得ずに棋譜を利用し、計153点の対局動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」で当日にライブ配信した。

 判決は、主催者は多額の費用や多大な労力を投入して竜王戦を開催し、棋譜を新聞に掲載したり有料アプリで配信したりして収益を上げていると指摘。男性の配信を「主催者がかけた費用や労力にフリーライド(ただ乗り)した極めて悪質なものだ」として、営業上の利益を侵害する不法行為にあたると結論付けた。

 日本将棋連盟の話「新聞社・連盟が長年築いてきた棋戦の運営方法が、将棋文化の発展に不可欠だと司法の場で確認いただいたものと受け止めている」

 読売新聞グループ本社広報部の話「将棋文化を発展させていくために、新聞社と連盟が長年作り上げてきた収益モデルの正当性を認めた意義のある判決だ」

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