過労死の28歳IT社員に「高橋まつりさんと一緒」の指摘も

5月22日(火)12時0分 STANDBY

政府は「働き方改革」で裁量労働制の拡大を目指しているが、根拠となるデータが不適切だとして世論や野党の反発を招き、データの一部削除を余儀なくされた

実際に働いた時間とは関係なく、一定の時間働いたとみなし、残業代込みの賃金を支払う裁量労働制。この制度が適用された約1カ月後に、過労死してしまった事例が発生した。

この一件が起こったのは昨年8月。亡くなったのは、東京都豊島区のIT企業「レックアイ」に勤めていた男性会社員(当時28歳)。死因はくも膜下出血で、今年4月に労働基準監督署が過労死として労災認定していた。

昨年7月、チームリーダーに昇格して裁量労働制が適用。みなし労働時間は1日8時間だったが、実際は徹夜を含む36時間の勤務もあったという。6月から7月にかけては、Twitterに「仕事終わるまであと22時間」「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」「やっと家についたー。この安心感よ。今月も華麗に300時間やー。ねむすぎ」などと投稿。7月下旬には家族に「頭が痛い」と訴えていたという。

亡くなる直前の2カ月に、過労死ラインとされる月80時間を超え、月平均87時間45分の残業があったと認定。また、過去には最長で月184時間の残業があったとされている。Twitterでは、

“労働者に「裁量」があるはずなのに、過労死してしまう。つまり、実際には裁量なんてないってことでしょう”
“システム屋は経験あるんだよ
ぶっ通しで48時間とか…ザラ
過労死予備軍は全国におるよ
そして残業するのはお前の能力がないからだって言われるんだろ?”
“業務の遂行について裁量のあるはずの裁量労働制適用労働者が過労死するというのは、やっぱりおかしい”

と、制度の名前に反して、労働者が裁量を持っていないという批判が殺到している。

男性が「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」などと投稿していたことについて、2015年に過労自殺で亡くなった高橋まつりさんの母、高橋幸美さんは、

“亡くなる1か月ほど前にチームリーダーに昇格し、裁量労働制を適用されていました。ツイッターには「36時間働いた」と書き込んでいた
#川人博弁護士 #高橋まつり のtwといっしょだ…”

とツイート。

“男性のツイートに高橋まつりさんのツイートを思い出す。自分の働き方の異常さをネタっぽくつぶやくことで、何とか世間とつながり、精神を保とうとしていたのだと思う”

と同じ事件を思い出し、類似性を感じ取ったユーザーもいたようだ。また、

“裁量労働制や管理監督者いわゆるのところ管理職は健康管理も時間管理も自己責任です。
運が悪かったね…
というのが政府案でしょ。
仕事で人は死ぬんだ”
“裁量労働制で過労死した若者、「36時間ぶっ通しで働いた」みたいなツイートしてたんだな。過労死ってのは、人間にそういう働かせ方をするシステムを作って利益を得てる人たちがいる点で、個人の衝動的な殺人なんかよりずっと邪悪なものだと思う”

と、裁量労働制の危険性を指摘するツイートや、

“過労死のあったシステム開発会社だが、ハローワークに求人が出ていた。就業時間は「裁量労働制」で、時間外は「月平均20時間」となっていた”

と指摘するツイートも。男性会社員の時間外労働はゆうに80時間を超えており、平均が本当に20時間だったのか疑問もある。こういった虚偽記載などをした企業に対するペナルティを重くする必要もあるのかもしれない。

(飛鳥 進)

■関連リンク
・IT社員過労死 残業月87時間超 裁量労働制適用
https://mainichi.jp/articles/20180517/k00/00m/040/092000c
・また裁量労働で過労死 首相ゴリ押し「高プロ制」の危うさ
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-029906/
・「働き方改革」さらなるデータミス 野党反発強める
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000127289.html

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