水分を摂っていても熱中症になる理由とは

5月25日(土)7時20分 ウェザーニュース


2019/05/25 08:22 ウェザーニュース

今週末は、全国的に30℃前後まで気温が上昇し、内陸では猛暑日予想のところもあります。

熱中症対策といえば、まず思い浮かべるのが水分補給です。しかし、喉の渇きが癒えるまで水分を補給していても、熱中症になってしまうことがあります。

なぜ水分を摂っても熱中症になるのでしょうか。

実験1 補給したのは失った水分の79%

労働安全衛生総合研究所の澤田晋一さんが次のような実験を行いました。

若い成人男性7人に気温35℃の夏の戸外で時速3.5kmのペースで30分間歩行してもらいました。歩行前後の体重を測り、発汗によって失われた水分量(体重減少量)は平均261gでした。

ところが、歩行後にのどの乾きが癒されるまで自発的に飲水してもらったところ、その水分補給量は208gでした。発汗した量の79%しか水分補給できていなかったのです。

実験2 補給率は43%にとどまった

もう1つの実験があります。福島第一原発の復旧作業に携わっている成人男性10人に、防護服を着用してもらい、気温37℃の炎天下で時速2.5kmのゆっくりした歩行を60分間実施してもらいました。体重減少量が平均1,055gだったのに対して、自発的水分補給量は平均435gだったのです。

水分補給率はさらに減少して43%でした。のどの乾きを癒すための水分補給は、発汗により失った水分を補うのに不十分だということがわかります。

このような水分補給が繰り返されると気づかないうちに脱水が進行し、熱中症になる危険が増すのです。

水だけ補給すると体液不足になる

大塚製薬HPより

なぜ自発的な飲水では不十分だったのでしょうか。

汗は塩からい味がしますが、汗にはナトリウムが含まれています。水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄くなるため、これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲む気がなくなるといわれます。それと同時に余分な水分を尿として排泄し、体液が不足してしまうのです。

のどが渇く前に定期的な水分摂取

熱中症対策の水分補給が不十分なら、どうしたらよいのでしょうか。正解は、「のどが渇く前に水分を補給する」です。

人は体重の60%が水分です。体重が60kgの人なら36kgが水分ですが、その水分量のうち2%程度、約700mlのほどの水分が失われると、のどが渇いたと感じます。それほどの水分が失われる前に水分を補う必要があります。

発汗によって失われる水分を呼吸するわけですから、ミネラルを含んだスポーツドリンクや経口補水液で補うといいでしょう。飲みやすさから言えば糖分を含んだスポーツドリンクがおすすめです。

のどが渇く前に飲むべきですが、のどが渇いたと感じたら少なくとも1本(500ml)、できたら2本飲んでおくとよいでしょう。自販機で冷えたスポーツドリンクなら、体を冷やす効果も期待できます。

夏に匹敵する暑さとなる今週末は運動会が開催される地域も多いので、汗をかいたときは、のどが渇く前に水分を補給することを心がけてください。


参考資料など

『熱中症の現状と予防』(澤田晋一編著、杏林書院)/大塚製薬HP「熱中症からカラダを守ろう」https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/


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