魚の価格も大幅にアップする!? 「世界海洋デー」に考えたいSDGs

2021年6月8日(火)5時0分 ウェザーニュース

2021/06/08 06:01 ウェザーニュース

6月8日は「世界海洋デー」でもあります。世界海洋デーは2009年に国際連合(国連)によって制定された国際デーです。世界海洋デーはどんな日なのでしょうか。
さらに、いま、注目されているSDGs(エスディージーズ/Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)との関連性についても、見ていきましょう。

なぜ、海が大切なのか

世界海洋デーは英語では、World Oceans Day(ワールド オーシャンズ デー)といいます。
1992年6月8日、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で、海の重要性を認識し、海に感謝することを、カナダが提唱しました。そのことが、今日の世界海洋デーにつながっています。
人間の行動が海にもたらす影響について考え、海を守るための国際的な運動を促進する。──世界海洋デーには、そうした趣旨や目的があります。
これを受けて、日本各地でも例年、海の大切さを考えるシンポジウムや、砂浜の清掃などが行われているのです。

海は人間が出した二酸化炭素の30%を吸収している

世界海洋デーと同様に、SDGsも国連によって定められました。貧困、健康、教育、エネルギー、技術革新、気候変動、平和など、17の項目について、目標が設けられています。
そのうちの14番目(目標14)は「海の豊かさを守ろう〜持続可能な開発のために、海洋や海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」となっています。
地球の表面積の約70%は海で、地球の水の約97%は海にあり、生物が生きるスペース(体積)の、なんと約99%は海です。海って、スゴいなー、と思いませんか。
でも、海のスゴさはもちろん、これだけではありません。
たとえば、海は人間が出した二酸化炭素の約30%を吸収して、地球温暖化の防止に貢献してくれているのです。

プラスチックが海を汚している

この偉大な海の汚染が世界的に進んでいます。その一つは、プラスチックによる汚染です。
2018年、スペインの海岸に打ち上げられたマッコウクジラの胃の中から、30kg近くものプラスチックごみが出てきたという出来事がありました。消化されないプラスチックが胃の中にたまって、エサが取れずにやせ細って、死んでしまったと考えられています。
プラスチックが小さく砕けたマイクロプラスチックも、海中に広がっています。動物プランクトンがマイクロプラスチックを食べ、それを小さな魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べ……という形で、マイクロプラスチックの食物連鎖が指摘されています。
大きなプラスチックも、砕かれた小さなプラスチックも、海を汚染し続けています。

「海の砂漠化」が進行している

日本各地の沿岸でも、異変が起きています。コンブやアマモなどの海藻が生い茂る藻場(もば)が失われつつあるのです。
原因の一つは沿岸地域の開発です。海が埋め立てられたり、海に化学物質が流入したりしたことで、多くの藻場が失われました。近年は地球温暖化による海水温の上昇で、藻場はさらに減っています。
藻場だけではありません。WWF(世界自然保護基金)によると、1970〜2012年の間に、海の生き物が約50%減っているのです。
また、MSC(Marine Stewardship Council: 海洋管理協議会)は、「今から約30年後の2050年には、2000年代の始めより30〜50%ほど魚介類の価格が上昇する」という予測結果を公開しています。
日本大学の大石敦志教授(生物資源科学部食品ビジネス学科)が分析したその予測では、2015年の物価水準と比べて2050年までにマアジが32%、マサバが51%、スルメイカが47%上昇するという予想価格になっています。
日本の沿岸では「海の砂漠化」などが進んでいるといえます。海の環境は、このまま放っておけばますます悪化していきます。
海や山などに物を捨てないのはもちろん、使い捨ての食器を使わない、買い物にはマイバッグ(エコバッグ)持参で行くなど、海の環境を守るためにできることはたくさんあります。
世界海洋デーをきっかけに、私たちの生活と海について、改めて考えてみたいものです。

参考資料など

『日本の365日を愛おしむ』(著者/本間美加子、飛鳥新社)、『国谷裕子と考えるSDGsがわかる本』(監修/国谷裕子、文溪堂)、『SDGs(持続可能な開発目標)』(著者/蟹江憲史、中央公論新社)、水産庁「藻場の働きと現状」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/tamenteki/kaisetu/moba/moba_genjou/)、WWF「CRISIS IN GLOBAL OCEANS AS POPULATIONS OF MARINE SPECIES HALVE IN SIZE SINCE 1970」(https://assets.wwf.org.uk/custom/stories/living_blue_planet/)、MSC「6月8日「世界海洋デー」に向け、MSCジャパンがプレスセミナーを開催」(https://www.msc.org/jp/whatyoucandoJP/media-centre/press-releases/210602)

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