自然由来の虫刺され・かゆみ止め、「ドクダミチンキ」の作り方

2019年6月17日(月)6時35分 ウェザーニュース


2019/06/17 06:34 ウェザーニュース

今の時期、ドクダミの白い花が真っ盛りです。庭に生えると繁殖力が強く、匂いがきつくてやっかいな雑草として嫌われる草です。しかし東洋医学や漢方では、効能があるとして古くから用いられているそうです。詳しい話を源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生に伺いました。

貝原益軒も認めるドクダミの効能

ドクダミは漢方にも使われる

ドクダミにはどのような効能があるのでしょうか。
「ドクダミは生薬では『魚醒草(ぎょせいそう)』と呼び、和漢方では、『十薬』・『重薬』(じゅうやく)と呼びます。江戸時代に貝原益軒が書いた『大和本草』には、『十種の薬の能ありて十薬となす』とあるくらい、いろいろな効能があります。たとえば、腫れ物や吹き出物、膿、虫刺され、痔、排尿痛、排尿困難などに良いとされています」(瀬戸先生)
あの独特の匂いがやっかいですが、匂いの素は何ですか。
「ドクダミの独特の強い匂いの成分は、『デカノイルアセトアルデヒド』や『ラウリルアルデヒド』で、これらが非常に強い抗菌作用を持つと言われています。傷口や虫刺されには生の葉をもんでつけると良い、と昔から言われているのはこのためと考えられます」(瀬戸先生)

自分で“かゆみ止め”が作れる

ドクダミの花

では、ドクダミの効能を得るためにはあの匂いを我慢しなければならないのでしょうか。
「あの匂いの素は揮発性なので、干したり加熱すると匂わなくなります。そうなると抗菌や虫刺されには効果が薄れます。そのため、生が一番良いのです」(瀬戸先生)
この成分はアルコールに溶けやすいので、生の葉をアルコールに浸すとそのアルコールに成分が溶けだして、虫刺されやかゆみ止めになる液体ができます。
今の時期は白い花がさかんに咲いていますね。花も同様の成分を持っています。集めると意外にかわいいので、ガラスびんに焼酎と一緒に入れて漬けるとバーバリウム(植物標本の意)風のかゆみ止めができます。今の時期しか作れないので、ぜひやってみてください。

【ドクダミチンキの作り方】
(1)ドクダミの花を新聞紙などに広げ、虫やごみを取り除いて乾いたガラス瓶などに詰める。
(2)焼酎(梅酒用のホワイトリカー、芋焼酎などなんでもOK)をひたひたになるまで注ぎ、しっかりふたをしめて室内の日の当たらないところに保存する。

琥珀色になったら出来上がり

(3)1週間程度経ったら使えるが、1ヵ月以上置くと、液体が琥珀色になってきて効果が高くなる。
使い方は、液体をコットンなどで塗る、使い終わった液体かゆみ止めのボトルに詰める、スプレーボトルに入れてシュッとひと拭きなどしてください。「ただし、アレルギーが出る場合もあるので、最初は少量で試してから使用するようにしてください」と瀬戸先生は注意します。
意外とかわいいドクダミの花。花びらは普通4枚ですが、まれに5枚のものもあるそうです。四葉のクローバーならぬ五弁のドクダミを探す楽しみもあわせて、ドクダミチンキを作ってみませんか。


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