【大阪北部地震から2年】まだ危ないブロック塀がある?

2020年6月18日(木)5時10分 ウェザーニュース


2020/06/18 05:10 ウェザーニュース

2018年6月18日午前7時58分、大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。通学の時間帯だったため、高槻市では登校中の小学生(8歳)が倒れた学校のブロック塀の下敷きなって死亡しました。大阪市淀川区でも児童見守りに向かっていた男性(80歳)が民家のブロック塀が倒れて亡くなっています。それから2年、ブロック塀はどうなったのでしょうか。

学校のブロック塀点検は進んだけど…

文部科学省は大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒壊したのを受けて、全国の国公私立の小中高校と幼稚園約5万校の状況を調査したところ、約4割にブロック塀がありました。2019年4月時点で大半が「問題なし」「再整備や撤去を完了」「2020年3月末までに対策完了」と整備が進んでいます。しかし、民家のブロック塀は危ないと思われるものが少なくありません。
「ブロック塀は個人財産で、古いものについては『既存不適格(きそんふてきかく)』といって、その後につくられた設計基準が適用できないという問題があり、補強や撤去を現行の法律では強制できないのです」と言うのは関西大学社会安全研究センターの河田惠昭教授です。

危ないブロック塀の見分け方

地震があれば倒壊するような危ないブロック塀を見分ける方法があると言います。
「直立していなかったり、道路に面して波打っているブロック塀やコンクリート塀は鉄筋が入っておらず、ブロックやコンクリートを積み上げただけの塀の恐れがあります。特に民家のブロック塀で少しでも傾いているものは危険です」(河田教授)
ふだん通勤や通学などで通っている道路に面して危ないブロック塀やコンクリート塀がないかチェックしてください。地震で崩れたり倒壊する恐れがあれば、そういう場所は少し遠回りをしても迂回したいものです。

危ないブロック塀を改修するには?

設計基準を満たさないブロック塀は改修費用を助成する市町村があります。
「ブロック塀の改修に助成金が出る自治体もあれば、予算がなくて助成できない自治体もあります。予算を決めるのは市町村議会ですので、町の安全を守りたかったらブロック塀の改修を助成する制度を議会や議員に働きかけてください」(河田教授)
危ないブロック塀には共通した特徴があると言います。
「古いブロック塀がある住宅は、小さな子どもがいなくて(人ごとになる)、年金生活している高齢者が多いのです。台風や地震で住宅が一部損壊したり、屋根瓦がずれたりしても、自力でなかなか修繕できません。この地震の約2ヵ月後に大阪を直撃した台風21号でも見られた事例です。格差社会の進行が、このような事態をますます深刻にしているのです」(河田教授)
まだ危険なブロック塀は残っています。ブロック塀のみならず、万が一のために生活の身近にある、自販機・看板・照明・ガラスなど、危ないと思われるものがないか改めてチェックしましょう。


ウェザーニュース

「ブロック塀」をもっと詳しく

「ブロック塀」のニュース

「ブロック塀」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ