ロレアルパリとエッシーが「日本撤退」したら化粧品は買えなくなる? 日本撤退の意味とは…

6月19日(土)20時50分 All About

ロレアルパリとエッシーが日本撤退。こう聞くと、全事業・商品が日本から撤退してしまうように感じますが、実際どうなのでしょうか?

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日本ロレアルは、2021年12月末をもって「ロレアルパリ」のメイクアップ事業とネイルブランドで知られる「エッシー」の日本撤退を発表しました。
時折話題になる、こうした日本撤退のニュース。関連するブランド品はすべて買えなくなるようなイメージを持たれる方もいると思いますが、実際はどうなのでしょうか? 日本撤退の背景と、それにともなう消費者への影響について解説します。

海外ブランドが「日本撤退」すると買えなくなる?

先述したとおり、ロレアルパリに関してはメイクアップ事業の日本撤退です。具体的には、口紅やファンデーションなど、メイクアップ商品の販売を終了します。これは、コロナ禍の負の影響が大きかったためといえます。マスクの着用が当たり前となり、テレワークが進む中で、化粧品の需要が落ち込んだためです。また、ネイル製品のブランドであるエッシーも同様の理由から販売終了となる模様です。
こうした製品に関しては、2022年以降日本での直接購入が難しくなると想定されます。愛用する方は、まとめ買いで確保しておくか、海外から輸入するか、国内輸入業者を通して買うかの選択を迫られることになりそうです。

すべてが買えなくなるわけではない

ただし今回撤退するのはメイクアップ事業部分で、ロレアルパリ製品がすべて買えなくなるわけではないため注意が必要です。コロナ禍では、メイクやネイルの需要が減った一方、巣ごもり生活が増えた結果、自宅で髪を染めたりヘアケアをしたりする需要は拡大しており、結果的にロレアルパリのヘアケア・ヘアカラー事業は順調に推移しています。そのため、ヘアケア・ヘアカラー事業の撤退はありません。
つまり、選択と集中により不採算部門は撤退し、好調な部門を中心に事業展開を拡大していく方針を採ったということで、全事業が日本から撤退するわけではないのです。

アナスイの事業撤退とは何が違う?

2020年3月末に、ANNA SUI(アナスイ)事業撤退というニュースが流れたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、日本国内でアナスイの商品が販売されなくなったわけではありません。
撤退と聞くとすべてなくなるイメージですが、この時の撤退は三越伊勢丹が米国アナスイ社とのライセンス契約および販売代理店契約を終了したというもの。これにより、三越伊勢丹が全国に展開したアナスイ直営店などが営業終了となりました。その一方で、三越伊勢丹がサブライセンス権を付与した企業が製造する雑貨は継続してアナスイブランドで販売されています。
このように、撤退といってもすべてがなくなるわけではないケースもあるのです。そういう意味では今回のロレアルパリの日本撤退も同様です。ただし、ロレアルパリのメイクアップ事業に関しては今後商品が買えなくなる可能性があるため注意してください。
また、アナスイの場合は三越伊勢丹と米国アナスイ社との間でライセンス契約を結ぶことで事業展開を行っていましたが、日本ロレアルはロレアルグループの日本法人になります。日本法人は今後も残りますし、引き続き日本で事業展開を直接行っていくことに変わりはないでしょう。

海外勢が日本撤退する背景には何がある?

今回はロレアルパリを中心に、日本撤退の意味について解説しました。コロナ禍の影響による売上減少が一つの事業撤退へとつながったのはやむを得ない状況ともいえます。企業においても、コロナ禍の影響を最小限にとどめるためには、選択と集中により生き残りをかけて次なるステップを歩んでいくしかありません。
また、海外勢の中には日本の風土に合わなかった、同業他社との競争に負けた、今後成長余力のある国・地域にシフトしたなど様々な理由により日本撤退を行うケースがあります。
人口や平均年収から見ても、日本は決して海外勢にとって悪いマーケットではないと思います。ただし、様々な要因から今後も撤退するケースは出てくることでしょう。
私たちも国内だけの視点にとどまらず、世界的に見て日本の市場はどうなのか? 海外ではどんな動きが見られるのか? 日本企業としては今後どういう展開をしていくべきか? 広い視野から物事を捉えていく必要が増えていきそうです。
(文:伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド))

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