七十二候「菖蒲華(あやめはなさく)」 アヤメとショウブの見分け方

2021年6月26日(土)5時2分 ウェザーニュース

2021/06/26 04:50 ウェザーニュース

6月26日からは七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」です。
「アヤメではなく、ショウブかと思った」そんな風に思った方もいるかもしれません。
今回は、美しいアヤメについてご紹介します。

見分ける難易度:★★★★☆

皆さんは「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉を知っていますか?
アヤメとカキツバタはよく似ていて、どちらも美しい花を咲かせることから優劣がつけにくいという意味があります。
今回はその見分け方を解説します。
1つ目のポイントは花弁の根元部分に注目です。
アヤメは網目模様、カキツバタは白い筋、ハナショウブには黄色い筋が入っています。
2つ目は生えている場所です。
アヤメは乾燥したところを好みますが、カキツバタは水の中に生えています。ハナショウブはちょうど中間で、半乾湿地でよく見かけます。
これらのポイントをおさえておくと、比較的見分けるのが簡単になります。

なぜ同じ漢字なのか?

ショウブ(静岡県浜松市 2021年5月撮影)

端午の節句に飾るショウブは、先程紹介したハナショウブとは別物。花も派手ではありません。
そんなショウブは、昔アヤメと呼ばれていたそうです。つまり、この時はアヤメもショウブを指していました。
しかし、ショウブと葉はそっくりなのに、明らかに異なる花を咲かせる植物があり、これこそが現在のアヤメです。
葉がそっくりな2つの植物を区別すべく、サトイモ科の方をあやめ草、現在のアヤメを花あやめとすることにしました。
後に、花あやめの美しい花が目立つことから、アヤメというと現在のアヤメを指すようになったそうです。
サトイモ科の方がショウブを名乗り、一見解決したようにも思えますが、菖蒲の読み方は2通りのままなのでした。

参考資料など

稲垣栄洋(2015)『身近な花の知られざる生態』PHP研究所
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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