"文春砲デマ"発言、花角英世・新潟県知事の選対幹部が公選法違反で刑事告発された! 県警・地検の動きは

6月30日(土)22時0分 LITERA

6月21日県庁内での花角知事の会見(撮影・横田一)

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 6月25日の参院予算委員会で安倍晋三首相は、共産党が独自入手した森友関連の政府側内部文書について「どのようなものか私は全く承知していない」と答えた。佐川宣寿前理財局長らの刑事処分について「官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている」と記されていたのに、具体的答弁を拒否したのだ。


 都合の悪い事実(不都合な真実)を無視する安倍首相の隠蔽体質は、「新潟県知事選」(6月10日投開票)で初当選した自公支持の元国交官僚の花角英世・新知事も瓜二つ。選対幹部が"文春砲"の名前を使って相手候補者である池田千賀子元県議の下半身ネタをデッチ上げたのに花角知事は「事実関係を承知していない」と繰り返していたからだ。さらに投開票日の当確が出た直後の囲み取材で「事実関係を確認させてください」と調査を約束した(6月12日の本連載39「新潟県知事選で花角新知事陣営がデマ攻撃! 選対幹部が『文春砲が池田候補の下半身スキャンダル』と嘘を拡散」で紹介)が、しかし、この約束も選挙後に簡単に反故にされた。


 花角知事は事実解明どころか「事実関係を承知していない」とだけしか言わなくなったからだ。知事就任翌日の13日に上京し、二階俊博幹事長や安倍首相や菅義偉官房長官との面会を終えた後の囲み取材での筆者の質問に、花角知事は次のように発言を後退させたのだ。


——選対幹部の文春下半身記事化発言、三條新聞に載ったが、選挙違反ではないか。


花角知事 事実関係を承知しておりません。


——日大アメフト部と同じで「選挙違反をしても当選する」という考えなのか。


花角知事 事実関係を承知しておりません。


当確直後に見せた「不都合な真実を直視して説明責任を果たそう」とする姿勢はわずか3日で消え去り、21日の就任後初の定例会見でも皆無だった。筆者は指されなかったので会見終了が告げられた瞬間に同じ質問をした。


——知事、選挙中の文春の下半身ネタデマ発言について一言、お願いしたい。(投開票日の10日に)事実関係を調べると仰いましたが。


花角知事 事実関係を承知しておりません。


——調べるつもりはないのですか。日大アメフト部と同じ「ルール違反をしても当選する」という考えか。


花角知事(無言のまま立ち去る)


 花角知事の正体が浮彫りになっていく。「ルール違反をしてでも勝つ」という日大アメフト部流選挙を展開し、知事ポストを奪取した後は「勝てば官軍」と言わんばかりに知らぬ存ぜぬの姿勢を貫く。そして「新潟では文春砲下半身ネタ絡みの"ハレンチ知事"が二代連続で誕生した」という皮肉な現実も突きつけられた。女子大生買春の文春砲直撃で"初代ハレンチ知事"が辞任したのに続いて、選対幹部が文春砲下半身ネタをデッチ上げた"二代目ハレンチ知事"が汚れた知事ポストに居座り始めたように見ええたからだ。


 県知事選で池田千賀子候補の応援演説をした立憲民主党の辻元清美衆院議員(国対委員長)は、中央とのパイプの太さをアピールした花角陣営に対して、「中央の膿が新潟に還流してくる」と警告を発したが、まさに隠蔽・改竄・嘘八百の安倍首相(政権)の腐敗体質が新潟に流れ込み、県庁内から腐臭を発し始めたといえるのではないか。


●花角陣営の選対幹部を刑事告発した市民が「こんな選挙妨害は初めて見た」


 知事会見の翌6月22日、県内在住の一般市民有志8名が"文春下半身ネタデッチ上げ発言"に関する告発状を県警と検察に提出(県警は受理。検察も翌週受理)、県庁内で11時前から記者会見に臨んだ。記者に配布された告発状には、公職選挙法第235条第2項違反の犯罪行為について次のように記されていた。


「被告発人(長谷川克弥)は新潟県知事選挙の候補者である花角英世を支援する確認団体である『県民信頼度ナンバーワンの県政を実現する会』の代表代行であったところ、2018年6月6日正午から自由民主党三条支部事務所で開かれた緊急議員会議の公開されていた冒頭部分において、三條新聞記者も含めた不特定多数の出席者に対して、花角英世への支援を求めつつ、新潟県知事選挙の対立候補者であった池田千賀子に関し、その当選を得させない目的をもって、『文春に選挙後に出るようだ。また、下半身の話だ。そんなことになったらまた選挙になるのではないか』という発言を行った。よって被告発人は、虚偽の事項を公にしたものである」


 告発状には長谷川氏の問題発言を掲載した6月7日付の三條新聞を添付されていたが、質疑応答に入ったところで今回の告発に対する思いを聞くと、市民有志代表から次のような答えが返って来た。


「私たちは公正な選挙を求めて告発をしています。私も2回、選挙のボランテイアをしたことがあるが、このような選挙妨害をあからさまに受けたのは今回の県知事選挙が初めてです。『このままでは公正な選挙が行われなくなってしまう』という危惧を覚え、『不正がまかり通るような選挙は今回限りにして欲しい』との思いから告発しました」


 調査する姿勢が消え去った花角知事の対応についても訊いてみた。こんな答えが返って来た。


「私たちが告発をした『被告発人』の長谷川克弥さんは、花角知事が候補者であった時の確認団体の代表代行(ナンバー2)です。その方の発言について『確認をしない。責任も取らない』ということでは、私は許されないことだと思います。責任をきちんと取っていただきたいと思っています」(一般市民有志代表)


●告発で浮かびあがってきた花角陣営の確信犯的な選挙妨害


 告発状には「その後の経緯」と題して、選対幹部のウソがどう広まったのかについても記載されていた。


「被告発人の虚偽の言説は、その後、あたかも花角陣営が確認した事項のように新潟県内外に広まり、選挙期間中に、複数回、新潟市内、三条市内、及び県外、ソーシャルネットワーク(SNS)上で聞くこととなり、選挙運動の大きな妨げとなった。この虚偽の言説の元となったツイートをした匿名アカウント『永田町ウォッチャー(@nagatachowatch)』」は、その発言が虚偽であったことを指摘され、6月5日に当該ツイートを削除している」


 このことについても、長谷川氏への直撃取材と一致する部分があったので以下のような質問をした。


——文春関係者にも聞いたのですが、「企画会議も通っていないし、記者も動いていない」と(答えた)。(10日の投開票日に)長谷川さん本人にも「文春の記者から聞いたのか」と訊いたら、まさにこの告発状にある「『永田町ウォッチャー』が根拠です」と答えた。ツイッター上の匿名の情報をさも事実であるかのように、記者のいる公の場で話すのはかなり確信犯的なやり方ではないかと思うが。


市民有志代表 そこについて私たちは非常に重く見ております。経緯として「永田町ウォッチャー」の方は6月5日に当該ツイートを削除、謝罪ツイートもしている。それにもかかわらず、そういった言説をその翌日(6日)にしたことで、非常に大きいことだと思います。


 まさに確信犯的な選挙妨害(公職選挙法違反)と言わざるを得ない。私の直撃に対して長谷川氏は「文春の記者に聞いたのではなく、(永田町ウォッチャーの)ツイッターに書かれていた噂を話した。噂を広めるつもりはなかった」と反論したが、4万部発行の三條新聞記者ら報道陣がいる「緊急議員会議(選対会議)」で、花角陣営選対幹部の肩書「代表代行(ナンバー2)」を名乗って写真撮影可能な状態で発言すれば、数万人規模の読者(有権者)に広まることなど誰でもすぐに分かる。


●菅官房長官と親しい花角陣営選挙プランナーに直撃するも、話のすり替え


 ちなみに新潟県知事選の告示日から現地に張り付き、自民党新潟県連にも出入りしていたのは、選挙プランナーの三浦博史氏。菅義偉官房長官と懇意であることでも知られる。その三浦氏に長谷川氏の文春下半身ネタ記事化デッチ上げ発言について聞いてみたが、「池田陣営の保育園問題はどうなのだ。その取材をしない限り、この件については答えない」と別の問題ではぐらかされ、具体的な回答を拒否された。


三浦氏が取材に応じる前提条件とした「保育園問題」とは、柏崎市立保育園の保育士が園児に候補者の応援をする図画作成を手伝わせたとして地方公務員法の信用失墜行為禁止などで処分されたものだが、選挙結果に影響を与える度合いは天と地ほどの差があるのは明らかだ。「選対幹部の文春下半身ネタ記事化デッチ上げ発言が読者数4万人の三條新聞に掲載されて広まった」という明白な公職選挙法違反と同程度に捉えて取材拒否の理由とする三浦氏は選挙プランナーとして、花角陣営の確信犯的な選挙妨害(選挙違反)を意図的にごまかそうとしているのではないかと疑いたくなる。


「新潟県知事選勝利で安倍首相の総裁選三選の可能性は八割、ほぼ確実となった。敗れていたら政局になっていた」と自民党関係者が振り返るほどの天下分け目の決戦で、菅官房長官と懇意な選挙プランナーが現地に張り付いて花角陣営に助言を与えているなか、選対幹部が白昼堂々と公職選挙法違反を実行に移した。

 安倍首相とその仲間たち(花角知事や三浦氏ら)が、「ルール違反をしても勝つ」という日大アメフト部と二重写しに見えてくるではないか。「官邸と花角陣営が"共謀"した確信犯的公職選挙法違反」という疑いは消え去るどころか、ますます深まるばかりなのだ。この日の告発会見については地元最大手の新潟日報をはじめ、長谷川氏の発言を紹介した三條新聞や毎日新聞新潟版でも報道された。新潟県警や地検の動きが注目される。
(横田 一)


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