まるで金正恩の“忠犬”? 文在寅は米朝会談実現をトランプに懇願していた

7月4日(木)17時0分 文春オンライン

 文在寅大統領は北朝鮮の“忠犬”に成り下がったーー。


 6月30日、南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で行われた、ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との緊急会談の裏で浮き彫りになったのは、韓国大統領の奔走ぶりだった。



文在寅韓国大統領 ©Getty Images


 なぜそう指摘できるのか。それには米朝会談実現までの全内幕を明らかにする必要があるだろう。


「常識的に考えて、そんな場所に行けるわけがないんだよ」


「まったく、文在寅は信じられないよ」


 こう口を開いたのは、6月中旬にワシントン現地で取材した、ある米国政府関係者だった。当時、月末に控えた大阪でのG20(20カ国・地域首脳会議)、そしてトランプ大統領の訪韓に向けてホワイトハウスは慌ただしく動いていた。話はこう続いた。


「文在寅は、訪韓したときにはトランプ大統領にDMZと板門店をぜひ訪れて欲しいと懇願してきたんだ。ホワイトハウスの返事は『NO』だった」


 DMZとは38度線(休戦ライン)の南北に幅約4キロメートルに設定された非武装中立地帯のことを指す。板門店は同じく軍事境界線上のエリアで、2018年に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国側施設を訪れ、史上初めて韓国内で南北会談が実現した場所として知られている。


「ホワイトハウスがNOと返答したのは安全上の問題から。米大統領の身辺は常に武装したシークレットサービスが警護している。しかしDMZ内ではシークレットサービスでさえも武装が許されない。常識的に考えて、そんな場所に米国大統領が行けるわけがないんだよ」(同前)


“懇願慣れ”している文在寅


 文大統領がトランプに懇願をするのは、じつはこれが初めてではない。今年5月、最大野党「自由韓国党」の姜孝祥(カン・ヒョサン)議員が記者会見し、7日の電話会談で文大統領がトランプに5月の日本訪問後に「少しの間でも韓国を訪問してほしい」と懇願していたと暴露したことがあった。情報漏洩したとされる外交官が更迭され、刑事告発されるなど大騒動となったのは記憶に新しい。


 米国への懇願慣れしていた文大統領側は、NOと言われてもなかなか折れなかったという。



「シークレットサービスを管轄する国土安全保障省も『大統領の安全が十分確保できない』と、強く反対していた。それなのに文在寅は、しつこく食い下がって『なんとか板門店に行って欲しい』と懇願してきたんだ。驚いたよ」(同前)


オバマへの対抗心で、まさかのどんでん返し


 米官僚の反対により一度は立ち消えになった米大統領のDMZ訪問。しかし、それを強行しようとしたのは、なにをかくそうトランプ大統領自身だった。


「トランプは17年の訪韓のときからDMZ訪問に強い関心を持っていた。オバマですら北朝鮮訪問はしていない。現職米国大統領が北朝鮮の領土を踏んだことがないと聞くと、オバマに対抗心を持つトランプはDMZ行きと、北朝鮮行きに強い関心を示すようになったんだ」(同前)


 トランプがDMZ行き、そして金正恩との会談に積極的だったのは、ある確信があったからともいわれている。


 6月11日、金正恩はトランプに親書を送っている。親書の内容は明らかにされていないが、米メディアなどでは14日に誕生日を迎えたトランプへの誕生メッセージではないかなどと伝えられた。



トランプから金正恩への親書には何が書いてあったのか


 この親書が重要な役割を果たしたと指摘するのは、北朝鮮事情に詳しい韓国人ジャーナリストだ。


「トランプはその後、金正恩に親書への返信を送りました。それを受け北朝鮮の国営放送局・朝鮮中央TVは23日に、『(金正恩委員長は)トランプ大統領の政治的判断能力と並外れた勇気に敬意を表するとし、興味深い内容を慎重に考えてみると述べた』と報じました。この報道から分析すると、金正恩の親書、もしくは親書の中に付帯文書を同封するなどの方法で、北朝鮮側から米朝会談の提案があり、トランプもそれに同意するような返信をした可能性が高いのではないか」


 金正恩がトランプに親書を送った直後の13日、ノルウェー訪問中だった文在寅大統領は、「金委員長の手紙の中に興味深い内容がある」と語っている。


 そして金正恩の意向を受ける形で、文大統領はトランプのDMZ・板門店訪問を米政府に何度も懇願するようになったのだ。


「DMZに行くかも」発言、削除されていた


 前述のようにトランプはDMZ訪問に強い関心を示していた。実際にトランプは米国政治専門紙『ザ・ヒル』(6月24日付)のインタビュー中にも、「DMZに行くかもしれない」と発言していたという。


「しかし、このトランプ発言は、ホワイトハウスのチェックで『国家安全保障上問題がある』と判断され、削除されたのです」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏)



 しかし、そこは常識外の男・トランプ。29日にツイッターで突然、DMZ訪問を明らかにしたうえで〈もし金正恩委員長がこれを見たら、握手してあいさつするためだけでもDMZで彼と会うかも?!〉と書き込んだのだ。


 そして30日に板門店での3度目の米朝会談が実現し、トランプは現職の米大統領として初めて北朝鮮側に越境するなどのパフォーマンスを繰り広げたのだ。


DMZ訪問実現のために走り回った文在寅


「韓国政府はトランプDMZ訪問を実現させるために、シークレットサービスの武器携帯を全面的に許可したようです。実際にトランプの警護についていたシークレットサービスは防弾チョッキを着込んでおり、銃器も当然、携帯していたはずです」(韓国メディア記者)


 板門店での文大統領は、トランプと金正恩の様子を静かに微笑みながら見守っていた。金正恩のために走り回り、あらゆる障害を取り除き米朝会談を実現させたことに彼なりの満足感を得ていたのだろう。








米朝会談の評価、米国では?


 だが、板門店で行われた3度目の米朝会談の評価は、米国では散々だ。


「2017年には米国人青年が北朝鮮に1年半拘束され、解放後に死亡するという事件が起きた。そのような非人道的な国の独裁者とトランプは同じテーブルに就くのか、と米メディアは米朝会談を批判しています。米政府内からも米朝会談は『北朝鮮を核保有国として認めることになる』と疑問の声が浮上しています」(前出・山田氏)


 専門家内でも「北朝鮮は今後も確実に非核化しないだろう」と見られるなかでの米朝会談は、その内容の乏しさも含め、トランプの外交パフォーマンス以上の価値はないとの評価のようなのだ。


 文大統領は“忠犬”としての役割に満足したかもしれない。しかし、金正恩に対して非核化プロセスを進めるよう強く諫めることこそが、同胞年長者としての本来の役割ではなかったのかーー。



(赤石 晋一郎)

文春オンライン

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