体が大きい人ほど夏が苦手なワケ

2018年7月3日(火)6時30分 ウェザーニュース


2018/07/03 06:32 ウェザーニュース

夏の暑さに強い人もいれば、ひどく弱い人もいます。生まれ月のせいでしょうか? それとも生まれ育った土地の気候のせいでしょうか?
周りの人を見ると、体が大きい人ほど暑さに弱い人が多いようですが、その仕組みをベルクマンの法則が解説しています。

19世紀のベルクマンの法則

「恒温動物においては、同じ種なら寒冷な地域に生息するものほど体重が重く、近縁な種でも大型の種ほど寒冷な地域に生息する」という法則を19世紀に発表したのはドイツの生物学者クリスティアン・ベルクマンです。
たとえばクマでいうと、熱帯に分布するマレーグマは体長140cmと小型で、日本からアジアの暖温帯に分布するツキノワグマは130〜200cm、温帯から寒帯に分布するヒグマは150〜300cm、北極近辺に生息するホッキョクグマは200〜300cmに達します。

「体重」と「体表面積」の関係

ベルクマンの法則は、「体重」と「体表面積」の関係で説明できます。恒温動物は体温を一定に保つために、体内で熱を生産し、体表からは熱を放出します。熱生産量は体重に比例し、放熱量は体表面積に比例すると考えられます。

もし体長が1.2倍になったら、体重は1.728倍(1.2×1.2×1.2)になりますが、体表面積は1.44倍(1.2×1.2)にしかなりません。つまり、体が大きくなるにつれて体重あたりの体表面積が小さくなり、熱の放出を押さえられるのです。
なるほど、寒冷地に大型生物が多い理由として納得です。人間もそれと同じで、北欧など寒冷地の人は背が高いことで知られています。

体が大きいと体を冷やしきれない

体が大きい人が寒さに強いのは、体重あたりの体表面積が小さいからですが、逆に暑いとそれが不利になります。体表面積が十分でないと、体温が上がっても体を冷やしきれないからです。夏場は熱中症にも要注意ですね。
暑さに強い人と弱い人の違いを生理学的に解説した「ベルクマンの法則」。あなたは共感できますか?


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