安倍首相と三原じゅん子の政見放送がまるで北朝鮮! 安倍首相をひたすら礼賛し、年金問題は野党批判にすり替え

7月9日(火)15時55分 LITERA

安倍首相を崇めたてまつった三原議員

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 全国遊説でデタラメな数字を並べて“年金は大丈夫”と振りまき、本サイトでもお伝えしたように「民主党の枝野さん」とわざと間違えるという演説を繰り返している安倍首相。その姑息さには目を覆いたくなるが、さらに驚くような光景を、昨晩、国民に向けて繰り広げた。


 というのも、昨晩NHKで自民党の政見放送が流されたのだが、安倍首相とともに現れたのは、参院本会議で「民主党政権の負の遺産の尻ぬぐいをしてきた安倍総理に感謝こそすれ」「恥を知りなさい」と述べた三原じゅん子議員。そして今度は、安倍首相と並び座りながら、三原議員が安倍首相を崇めたてまつるという、醜悪な政見放送を垂れ流したのだ。


 一体、どんな放送だったのか。三原議員はまず最初に、こう口火を切った。


「総理、いま国際情勢は、米中貿易摩擦、北朝鮮情勢、英国のEU離脱問題、緊迫する中東情勢など、激動のなかにあります。こうしたなかでG20大阪サミットの議長を務められました。手応えはどうでしたか?」


 対北朝鮮外交では蚊帳の外、中東問題では「架け橋外交」どころか海外メディアにも批判される始末で、G20でも存在感を示したのは「エレベーターを付けたのはミス」発言で冷ややかな視線を浴びたくらい。にもかかわらず、そうしたことはすべてなかったことのようにして前振りする三原議員には唖然とさせられるが、対する安倍首相は、満面の笑みでこう述べた。


「世界は結束できる。そう信じて、精一杯、議長役を務めました」
「貿易で生まれた富がすべての人に行き渡るルールをつくることが大切です。公正なルールが必要なんですね。この点は、私はトランプ大統領にはっきり、申し上げているんです」


 まったく何を言っているんだか。トランプの顔色を伺ってばかりで「首脳宣言」でも「保護主義と闘う」という文言を盛り込もうともしなかったというのに、こんなところで「トランプ大統領にももの言えるオレ」をアピールするって……。だが、さらに三原議員はこう畳みかけたのだ。


「そのトランプ大統領を大相撲に招待するなど、総理は蜜月ぶりを世界に存分に発信しておられますね」


 トランプ大統領は排外主義政策を押し出して世界から差別主義者だと非難を浴びているというのに、恥ずかしげもなく「蜜月ぶりを世界に存分に発信しておられますね」と称賛する。だいたい、その「蜜月」の内実は、言われるがままイージス・アショアやステルス戦闘機を大量購入し、貿易交渉でも参院選後には農産物の関税大幅引き下げに応じる密約を交わしていると見られ、その上、日米安保の見直しを迫られているような状態だ。


 しかし、水を向けられた安倍首相は、こう断言する。


「深い関係にあるからこそ、何でも率直に言い合える仲なんです」


 もう頭がクラクラしてくるが、このあとも三原議員は「世界はトランプ大統領のTwitterに釘付けです」「これまでの大統領のイメージと異なり型破りな方ですが、実際、トランプ大統領はどんな方なんでしょうか?」などと安倍首相に質問。延々と“トランプ大統領との仲良し安倍首相”PRをつづけ、安倍首相も「拉致問題の解決に向けて全力で取り組んでいく決意」とまったく成果のない拉致問題に話を繋げたのだ。


●トランプ仲良し自慢のあとは、改元を安倍首相の手柄とPRし政治利用


 政見放送なのに、初っ端から長い時間をかけて取り上げるテーマがトランプとの関係性って……。いや、トランプ仲良し自慢のあとはもっと酷かった。次に三原議員が安倍首相に振ったのは、こんな話だった。


三原「令和の時代がはじまって2カ月ですが、ずいぶんと世の中に浸透していますね。元号の制定は大変な責任と重圧だったと思います」
安倍「おかげさまで、令和を、多くの国民のみなさまから評価・歓迎していただき、ホッとしています。令和の時代を切り開く、若い人たちが評価してくれていることを聞いて、大変うれしく思いました」


 安倍首相が改元を政治利用するために元号選定を主導したことは本サイトでもお伝えしてきたことだが、ここまで臆面もなく自分の手柄にし、堂々と改元を選挙利用するとは──。しかも、ここから三原議員は「令和の時代にも安心できる、責任ある社会保障制度をつくることは、わたしたち政治家の責任」と繋げ、ようやく国民の生活に直結する年金問題へ移るのだが、三原議員はこのように話題を誘導した。


「一部の野党は、高齢者のみなさんにとって大切な年金を政争の具にし、具体的な政策も示さないまま、ただただ不安を煽るだけの議論に終始していることは、大変残念に思っています。わたしたちだって、高齢者のみなさまの年金を少しでも増やしたいと思っています。しかし、そんな打ち出の小槌はあるのでしょうか」


 いやいや、問題の発端は「老後は年金に頼るな、自助で2000万円貯めろ」という報告書案を金融庁が出したことで、国民の不安を煽ったのは政府だ。それに野党は具体的な政策も出しているのだが、そうした事実は無視して安倍首相は「逆から言えば、政策次第で、年金を増やすことは、十分に可能です」と言い、さんざんデタラメさが指摘されているアベノミクスの成果を並べ立てるだけ。


 そして、安倍首相が粉飾された虚偽の成果を主張すると、三原議員がこんな合いの手を入れるのだ。


「アベノミクスのもとで、経済は順調ですね」
「(民主党政権の)あのような時代に戻してはなりません。アベノミクスによって、日本経済は一変しました」
「外交では、世界の真ん中で輝く、新しい日本外交のかたちをつくろうとしています」
「安倍総理は、内政では、子ども・高齢者など、弱い立場にある人の声に耳を傾けながら、できるかぎりの政策を進めておられます」


 都合の悪い事実はなかったことにし、「経済を強くした安倍総理」「世界の真ん中で輝く安倍総理」「弱者にやさしい安倍総理」とひたすら礼賛をつづける──。かと思えば、今度は怒気を露わにした口調で、三原議員はこう啖呵を切った。


●さんざん安倍首相礼賛したあげく、年金問題を野党批判にすり替え!


「それに引き換え、野党は、日ごろは与党の揚げ足取り。政策の議論を重ねないまま、選挙目当てで、人気取りだけで、実現できるかも怪しいような政策を言い始める。所属政党はコロコロ変わり、対案なしで何でも反対、やることすべてがブーメラン、何度この光景を見たことか。こんな野党には、絶対に、負けるわけにはいかない……! 心からそう思います」


 安倍首相を褒め称えるときは高い声でにこやかなのに、野党の批判はいかにも恐ろしいことを話すかのような低い声色でおどろおどろしく語る三原議員。 あの参院本会議での三原議員の演説は、まるで北朝鮮の最高人民会議を彷彿とさせるものだったが、今度は朝鮮中央テレビの女性アナウンサーを見ているかのようだ。しかも、じつはこの文言、問題となった参院本会議とほとんど同じものだった。


 つまり、今回、安倍首相は、国会という場で安倍首相を「崇拝」し、「野党は恥を知れ」と攻撃した三原議員による演説を、諫めるでも反省するでもなく、政見放送で“再現”させたのである。


 実際、「こんな野党には絶対に負けるわけにはいかない」と三原議員が述べたあと、安倍首相は笑顔でこんなことを言い出した。


「この前の三原さんの参議院本会議での演説は、すごい迫力でしたね。国民の代表としての自覚、国会で議論に臨む姿勢。非常に印象的でした」


 三原議員の演説は批判を浴びたが、一方でネトウヨや安倍応援団は「まったく正論」「スカッとした!」「流石女番長」などと絶賛していた。ようするに、安倍首相はお友だちの極右ネットテレビ番組に出演するだけではなく、ついに政見放送でまで、そうしたネトウヨ受けを意識しはじめたのだ。


 いや、これはネトウヨ受けというだけではなく、“自分への礼賛と自分の敵への一方的な攻撃”という独裁国家のプロパガンダさながらのやり方がごく普通に受け入れられる国にしようとしているのだろう。そうでなければ、とてもじゃないが、こんな知性のかけらも感じられないような酷い内容を政見放送として用意するはずがないからだ。


 野党&メディア攻撃本配布問題といい、選挙を通してどんどんあきらかになっていく安倍自民党の気持ち悪さ……。しかし、最大の問題は、国民がこれに慣れてしまうことのほうだろう。
(編集部)


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