<佃島盆踊>新団体が主催し開幕 旧団体も来月開催

7月13日(金)18時36分 毎日新聞

13日開幕した「佃島の盆踊」。開始予定時間の午後6時過ぎ、やぐらも立って囃子(はやし)も響くが、踊ろうとする住民はいなかった=東京都中央区で2018年7月13日午後6時5分、大村健一撮影

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 400年以上の歴史があるとされる東京の夏の風物詩「佃島(つくだじま)の盆踊」は13日夕、開幕した。ちょうちんの明かりに照らされながら、やぐらの周りをゆったり練り歩く光景は変わらないはずだったが、会場は閑散とし、明らかに例年とは異なる空気が流れていた。主催するのは昨年11月に地元住民有志が設立した新団体「歴史と伝統を守る佃島盆踊りの会(盆踊りの会)」。これまで40年以上運営してきた旧団体「佃島盆踊保存会(保存会)」も来月同じ場所で開催する構えで、ひと夏に2度の盆踊りが催されるという「異常」事態に発展。主催権を巡る新旧団体の対立は根深く、伝統文化が醸す下町情緒を吹き飛ばしかねない状況だ。【大村健一/統合デジタル取材センター】


 ◇「もめていると、佃島の印象が悪くなる」 心配する声も


 この日午後6時過ぎ、記者は会場に足を運んでみたが、やぐらだけが目立ち、人影はまばらだった。主催する「盆踊りの会」関係者に、出足の鈍さを指摘してみると「対立する報道の影響があったかもしれないね」と言葉少なに話した。日程は例年同様に15日までの3日間、午後6時ごろから踊り始める予定だ(雨天の場合は中止)。


 「佃島の盆踊」は16世紀末、徳川家康の招きで摂津国佃村(現大阪市)から江戸に移住した漁師たちが持ち込んだとされ、400年以上の歴史があるという。昔ながらの踊りを残してきたことが評価され、1976年に都無形民俗文化財に指定された。佃地区は佃煮の発祥の地としても知られ、銀座などの繁華街にも近く、例年7月13〜15日の期間中は地域内外から老若男女が集まりにぎわう。


 しかし、地元で取材すると「何とか仲良くやれないものか。もめていると、佃島の印象が悪くなる」「古き良き伝統文化が継承されなくなってしまう」と心配する声が聞かれた。これまで誇りとしてきた「盆踊」が皮肉にも、住民間に暗い影を落としているようだ。


 ◇中央区 一つにまとまるよう話し合いを継続


 両団体の対立は昨年から表面化し、開催地の佃1丁目の住人を中心とする盆踊りの会側は「保存会の代表は佃地区の住人ではなく、身勝手な行動を続けている」「佃島本来の踊りが継承されていない」などと主張し、保存会側は「これまで手伝ってもこなかったのに盆踊りを乗っ取ろうとしている」と反論。開催地の公園の使用許可を出す中央区は、両者から同じ日程の申請書を提出されたため「和解するまでどちらにも許可を出せない」と仲介を試みたが、交渉は決裂。結局、保存会側が8月に日程をずらす譲歩をした。


 対立する事態を収拾できなかった中央区は「来年は一つにまとまって開催できるように引き続き話し合っていきたい」(水とみどりの課)との方針を崩していない。

毎日新聞

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