<西日本豪雨>ミカン畑山肌あらわ 有数の生産地深刻な打撃

7月13日(金)19時16分 毎日新聞

土砂崩れで山肌が見えるミカン畑を無念そうに見つめる森本啓介さん=愛媛県宇和島市吉田町で2018年7月11日午後6時9分、花澤葵撮影

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 西日本を襲った記録的な豪雨は、岡山、広島両県などに大雨特別警報が発表されてから13日で1週間となった。日本有数のミカン生産地・愛媛県宇和島市吉田町地区は豪雨で土砂崩れが相次ぎ、ミカンの木々も大きな被害を受けた。収穫期が始まる秋にかけては病気や害虫を防除する時期だが、農薬をまくためのスプリンクラーも多くが破損。苗木を植えたとしても収穫できるようになるまでは少なくとも5〜7年かかり、農家らは「ミカン作りを続けていけるかどうか」と嘆く。


 「長男が帰ってきてこれから頑張ろうと思っていたところだったのに、もうめちゃくちゃですよ」


 同地区で35年間ミカン農家を営む森本啓介さん(55)は、昨年4月に長男の大輝さん(22)が家業を継ぐためUターンし、今春一緒に新しい苗木を植えたばかり。今年は豊作を期待していたが、豪雨で約400本の木が流されたとみている。農道が土砂で通れず、具体的な被害の確認すらできていない。畑が残っていたとしても、農薬散布ができなければ、ミカンの表皮に黒点がつくなどし、販売は難しい。


 「ミカンでの収入がなかったら、重機や大型の運転免許を使って何か仕事をしないと」。森本さんは山肌があらわになった畑を眺めてつぶやいた。


 農林水産省によると、県内の2017年産のミカンの出荷量は10万9400トンで和歌山県に次ぐ全国2位。同地区でのミカン栽培は200年以上の歴史があり、「愛媛みかん発祥の地」とされる。急傾斜地帯で日当たりが良く、ポンカンなど20種類以上のかんきつ類が栽培されている。


 同地区にはミカン農家の「後継者の会」があり、地区内でも玉津地域は若手農家が多い。2年前に故郷に戻ってきた宮本和也さん(35)は「この5年ほどミカンの価格が安定し戻ってくる若い人も増えてた。地域で盛り上げていこうとした矢先だった」と肩を落とす。農家3代目の木下登善(たかよし)さん(32)は「豪雨災害で収入はゼロに。それでも後継者たちはやり直そうと思っているはずだ」と力を込めた。


 えひめ南農協の吉田一弥事業本部長は「全容把握ができていないが、かつてない規模の被害だ。自助努力には限界があり、県や国に支援してほしい」としている。【花澤葵、今野悠貴】

毎日新聞

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