【西日本豪雨】「表層崩壊」で被害拡大 地盤の特性も日本全国に同様リスク

7月13日(金)20時6分 産経新聞

梅河団地に流されてきた巨大な岩。人の背丈を超えるほどの高さだった=12日午前、広島市安芸区(鴨川一也撮影)

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 土砂崩れが相次いだ広島県などは地盤がもろい地域が多く、山の表面の1〜2メートルくらいのごく浅い部分が崩れる「表層崩壊」が発生。さらに、重さが数トンもある「コアストーン」と呼ばれる巨大な岩が、崩壊に引きずられるようにして斜面を転がり、麓の民家などを直撃して被害を拡大させたとみられる。同様の地質は日本各地に分布。専門家は「どこでも起きうる」と警鐘を鳴らしている。

 西日本は「花崗(かこう)岩」の地盤が多く、広島も広範囲に分布。こうした地盤の表面は「真砂土(まさど)」と呼ばれる花崗岩が風化した、もろい砂が、硬い地盤の上に堆積している。

 地盤が軟らかいため、宅地などに切り開きやすいという利点がある一方、大雨などの際は、堆積したもろい部分が流れる表層崩壊が起きる恐れがある。

 平成11年に広島市内の新興住宅街で32人が死亡・行方不明になった土砂崩れや26年に広島市安佐北区などの住宅街を土石流が襲い関連死を含め77人が犠牲になった災害も、表層崩壊だったとされている。

 国土交通省によると、広島には土砂災害の恐れが高い「土砂災害警戒区域」が全国で最多の推定4万9500カ所あるという。また、京都大防災研究所の千木良(ちぎら)雅弘教授(応用地質学)によると、こうした花崗岩の地域は日本全国に分布し、国土の約13%を占める。このため、千木良教授は「表層崩壊はどこにでも起きうる」と指摘する。

 一方、今回の大雨の被害現場では、コアストーンが多数転がっているのが確認されている。国交省などによると、コアストーンは風化せずに残った地盤が岩になったもので、表層崩壊に引きずられるように一緒に流れる。民家などを押しつぶしたケースもあったとみられる。大きさが2メートル以上のものもあるといい、国交省は早めの避難や堤防・ネットなどを設置する対策が必要だとの認識を示す。

 静岡大防災総合センターの牛山素行教授(災害情報学)は「長時間、大雨が降ったことが被害を大きくしたが、災害を早期に予告するシステムの精度が高まる一方で情報が生かしきれていない」と指摘。千木良教授も「警報は『空振り』も多いが、目安と考え、危機感を持って行動するのが重要だ」と話している。

産経新聞

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