<寺カフェ>僧侶が街へ 「悩み相談」でリピーター獲得

7月14日(土)11時0分 毎日新聞

多くの客でにぎわう「寺カフェ代官山」=東京都渋谷区で

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 悩める現代人の「駆け込み寺」として「寺カフェ代官山」(東京都渋谷区恵比寿西)がひそかな人気となっている。飲食しながら本物の僧侶に「悩み相談」ができるのが特徴だ。リピーター客も次第に増加しており、悩み多きストレス社会を反映している。


 代官山駅から徒歩2分ほどで寺カフェ代官山にたどり着く。店舗の外観は、インテリア家具店や洋服店が並ぶおしゃれな街の雰囲気にも違和感なくなじんでおり、店内に僧侶がいるとはとても思えない。


 ここを運営するのが、川崎市の浄土真宗本願寺派の信行寺だ。カフェには男性僧侶9人、女性僧侶1人の計10人が毎日入れ替わりで在店し、来店客の悩み相談に乗っている。「みなさんの悩みを解決するためのお手伝いができれば」。そう話すのは僧侶の三浦性暁(みうら・しょうきょう)さん(62)だ。


 寺はかつて地域の人々が集まる場であり、生活の中に溶け込んでいたが、昨今は法事などで訪れる以外は足を運ぶことも少なくなっている。「寺に来てもらえないなら僧侶が街へ出て行こう」と2012年に寺カフェ設立に向けた活動が始まり、13年8月にオープンした。常連の男性会社員(38)は「落ち着く雰囲気で入りやすい」と話し、居心地の良さを強調した。


 カフェとして利用するだけの客もいるが、多くは僧侶への相談目的で来店している。悩みは、主に親子や兄弟、上司、部下など人間関係にまつわるものが多い。最近は転職や不倫についての相談も増えているという。カフェの売り上げは赤字の時もあるというが、三浦さんは「何より大切なのは利益でなく、人と人がふれあう場があること」と説明した上で、「悩みを晴らすのに必要なのは悩みの根本を知ること。一緒に悩み、応えます」と“仏”のような笑みを浮かべた。


 一方でカフェとして飲食メニューも充実している。人気は「鮭塩酒粕漬け御膳」(税別1250円)や「自家製湯豆腐御膳」(同)だ。女性の僧侶、山口依乗(やまぐち・えじょう)さん(64)が作る「おまかせ精進料理」(予約制)には、根強いファンもいるという。広々とした店内にはテーブル席が32席あり、落ち着いて食事ができるようになっている。


 同店では、写経や心理相談、念珠作りといった体験イベントを開くほか、僧侶と一緒に飲酒して語り合える「坊主BAR」なども開いている。開店時間は午前11時〜午後10時。僧侶の在店時間は午前11時〜午後6時(水・金曜のみ午後1時〜午後9時)。年中無休。問い合わせは同店(03・6455・3276)。【韮澤琴音】

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