<大口病院中毒死>逮捕1週間 八巻さん殺害を立件へ

7月14日(土)5時0分 毎日新聞

久保木愛弓容疑者=2016年10月9日午後2時54分、横浜市内で太田誠一撮影

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 横浜市の旧大口病院で2016年9月、入院患者の西川惣蔵さんと八巻(やまき)信雄さん(いずれも当時88歳)が中毒死した事件は、発生から2年を前に進展した。元看護師の久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)が西川さんを殺害した疑いで逮捕されて14日で1週間。捜査関係者によると、久保木容疑者は他の患者にも消毒液を投与したことを認めている。神奈川県警は、八巻さんを殺害した疑いでも立件する方針で、事件の全容解明を急ぐ。【杉山雄飛、中村紬葵】


 西川さんと八巻さんがいた終末期患者向けの4階病棟を担当していた久保木容疑者に、県警が当時の状況を改めて聞かせてほしいと、事情聴取を始めたのは先月29日だった。


 聴取は翌30日も続いた。その途中、久保木容疑者が患者に消毒液を投与したとの供述を始めたという。県警は久保木容疑者の看護服から消毒液が検出されたことや、容体が急変する直前に西川さんの病室に入ったとの目撃証言など状況証拠の積み重ねにより、久保木容疑者が事件に関与したとの見方を強めていたが、30日の供述が逮捕の決め手となった。


 「患者が死亡した際の仕事が面倒だった」「患者の死亡時期を自分の都合に合わせたかった」「呼び出されるのが嫌だった」−−。久保木容疑者は動機をこう説明したという。捜査関係者によると、西川さんには点滴側管から注射器で消毒液を投入する一方、八巻さんには交換予定の点滴袋に消毒液を混入させた疑いがある。いずれも勤務時間内に自分の関わる患者が死亡するのを避けた可能性がある。


 久保木容疑者は看護学校を卒業後、15年春から大口病院に勤務。「(事件発覚の)2〜3カ月前から20人ほどにやった」と話したとされる。しかし、終末期で病死した患者や、病院が不審死に気づく前に亡くなった人もいるとみられ、捜査は容易ではない。


 西川さんと八巻さんは遺体が司法解剖され、消毒液に含まれる界面活性剤による中毒死と判明した。一方、2人と同時期に死亡した70代女性と80代男性からも界面活性剤の成分が検出されたが、70代女性は血液しか残されておらず、80代男性は別の死因だった。


 県警は、70代女性と80代男性の死亡についても立件を目指すとみられるが、ある捜査関係者は「容疑者がたとえ認めたとしても、そう簡単にはいかない」と話している。

毎日新聞

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