西日本豪雨 酷暑下の避難生活が心配だ

7月14日(土)6時0分 読売新聞

 平成になって、最悪の豪雨被害だ。政府と自治体は被災者支援に全力を挙げてもらいたい。

 西日本豪雨の犠牲者は広島、岡山両県を中心に約200人に上る。土砂災害などによる不明者の捜索は続く。

 いまだに6000人近くが不自由な避難生活を強いられている。酷暑の中、体調不良を訴える人は多い。避難後に命を落とす災害関連死の予防が最優先だ。

 水不足が被災者に追い打ちをかけている。広島、岡山、愛媛各県では、計20万戸で断水が続く。

 家屋などに流入した泥水や土砂には、病原体も含まれる。衛生状態が気がかりだ。片づけなどを手伝うボランティアも含め、感染症対策は欠かせない。

 東日本大震災を教訓に創設された災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)が初めて活動を展開している。専門知識を有する医師や保健師らが、保健所などを拠点に情報を集約・分析した上で、医療チームを現地に派遣する。

 避難が長期化すれば、それだけリスクが高まる。避難所などをこまめに巡回し、被災者の健康状態に目を配ってほしい。

 発生後、被災地には政府からの支援物資が続々と届いた。自治体からの要請を待たずに水や食料を送る「プッシュ型支援」は、一定の成果を上げたと言えよう。

 今後は要望を見極めて送る「プル型支援」に切り替えて、過不足なく物資を届ける必要がある。

 各地で道路が寸断された。なお多くの人が孤立状態にある。国土交通省がドローンなどを駆使して、現況を調査している。

 政府は、被災府県に346億円の普通交付税を前倒しして交付する。迅速な復旧のため、自治体は優先順位を設けて対応したい。

 災害弱者の避難の難しさが、改めて浮き彫りになった。

 堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町では、犠牲者のほとんどが60歳以上で、死因は溺死だった。過去にも大規模浸水が発生しており、浸水区域は水害ハザードマップの想定区域と重なっていた。

 市は携帯メールや防災無線で避難を呼びかけたが、十分に伝わらなかった可能性がある。情報を得ても、すぐに行動できなかった高齢者も多かったのではないか。

 愛媛県西予市では、ダムの放流後に下流で複数の人が死亡した。市の避難指示が遅すぎた、との批判が住民の間にはある。

 今後も、ため池の決壊など、想定外の二次災害が懸念される。警戒を怠ってはならない。

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