夏は昼に虹が見えない 太陽の高度が関係
2023年7月16日(日)5時20分 ウェザーニュース
2023/07/16 05:10 ウェザーニュース
雨の降る前後に七色のアーチ「虹」が見られることがあります。
虹は太陽が出ている間なら、季節や時間帯を問わず雨が降っている近くで見られるイメージがあるかもしれませんが、夏ごろは昼間に出現しにくいのです。
虹は必ず太陽と反対側に見える
太陽と虹が見える位置関係
虹はいろいろな方向に出現しているように思えますが、実は太陽の反対側にしか見られません。そして、太陽を背にして立った時、太陽の光が差してくる方向から常に42度の角度を保った高さに現れます。(※画像の赤線参照)
そのため、太陽が低いところにある時の方が、虹はより高いところに見えることになります。一般的に太陽と地面の角度(=太陽高度)が50度以下だと虹が見えやすいと言われています。
夏の昼頃は太陽が高過ぎて虹が見えない
正午の太陽高度(東京)
太陽の角度は季節や時刻によって変わります。一日の中で太陽高度が最も高くなる時間は正午です。さらに季節ごとに見てみると、夏至の頃が最も太陽高度が高くなり、冬至の頃が最も低くなります。
例えば東京の場合、夏至(6/22頃)は、8時半頃には太陽高度が50度より高くなり、15時を過ぎると再び50度を下回ります。春分(3/23頃)や秋分(9/21頃)は、11時〜13時以外は50度以下です。そして、冬至(12/22頃)では太陽高度が一日中40度以下になります。
つまり、夏至に近い6月頃の12時前後の時間帯は太陽高度が80度近くにまで上がり、自然な状態では絶対に虹が見えないと言えます。5月〜7月も、夏至に比べると太陽高度は低いものの、昼間に虹が出現するまでの太陽高度にはならず、昼間に虹を見るには条件的にあまり良くありません。
夏によく見られるイメージがある虹ですが、じつは昼間は虹が見えにくい条件となっていました。夏に虹を見たい方は、朝や夕方の雨雲が近くにある時に狙うのがよさそうですね。