あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」が大炎上 慰安婦像など展示で賛否巻き起こる、津田大介氏「議論のきっかけに」
2019年8月2日(金)13時9分 BIGLOBEニュース編集部
愛知県で1日から始まった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の企画「表現の不自由展・その後」に賛否の声が多数寄せられ、炎上状態となっている。
「表現の不自由展・その後」は、「慰安婦」問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法9条、政権批判など、展示不許可になった作品を集めた企画展。旧日本軍の慰安婦を表現した韓国の彫刻家による慰安婦像「平和の少女像」や、昭和天皇を描いたとみられる版画を燃やした「焼かれるべき絵:焼いたもの」、安倍政権の右傾化への警鐘などの言葉を掲げたかまくら「時代の肖像−絶滅危惧種」などが展示されている。
展示内容をめぐりネットでは、表現の自由についての議論が噴出。タレントのフィフィは、昭和天皇をテーマにしたとみられる作品について、「芸術における表現の自由で許されるとは思わない。例えばコーランを焼いたり、国旗を焼いたり、それを芸術として評価するのだろうか、そんなのは下品なプロパガンダだ」と批判。和田政宗議員は、「慰安婦像の展示が行われ、昭和天皇の御真影を焼く映像展示があるとの情報が寄せられた。御真影を焼く映像展示は明日確認を取る。事実だとしたらとんでもないこと。あいちトリエンナーレは文化庁助成事業。しっかりと情報確認を行い、適切な対応を取る」と表明した。
また、高須クリニックの高須院長は、名古屋市の河村市長が視察に行くという記事を引用し、「この穢らわしい展示物を片付けなかったら名古屋市民やめます」と宣言。映画評論家の町山智浩氏は、「これで『慰安婦』少女像の展示が中止になれば、『表現の不自由』展はアートとして見事に完成するね」と述べている。
一方で、「いかに下劣で反吐がでるような表現であっても、表現の自由は守られるべきです。政治家の風刺表現の範囲で、名誉毀損等とも言い得ないでしょう」「アートの中には特定の人々を傷つけるものもあり、そういうものが非難されるのは当然だと思います」と展示に理解を示す声も寄せられている。
「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏は、Twitterで「あいちトリエンナーレ実行委員会も、表現の不自由展実行委員会も、僕も『表現の不自由展・その後』に展示されている作品に対して何らかの賛否を述べるものではありません」とコメント。展覧会の趣旨について、「来場者に実物を見ていただき、表現の自由を巡る状況に思いを馳せ、議論のきっかけにしたいということが展覧会の趣旨です」と説明している。
私は昭和天皇の御真影を焼く映像を芸術における表現の自由で許されるとは思わない。例えばコーランを焼いたり、国旗を焼いたり、それを芸術として評価するのだろうか、そんなのは下品なプロパガンダだ。私費であっても非難されるであろう展示に税金が投入されているとは。#あいちトリエンナーレ
— フィフィ (@FIFI_Egypt) 2019年8月1日
あいちトリエンナーレ。
— 和田 政宗 (@wadamasamune) 2019年8月1日
慰安婦像の展示が行われ、昭和天皇の御真影を焼く映像展示があるとの情報が寄せられた。御真影を焼く映像展示は明日確認を取る。事実だとしたらとんでもないこと。あいちトリエンナーレは文化庁助成事業。
しっかりと情報確認を行い、適切な対応を取るhttps://t.co/gwDJWHnn8E
僕の声が届いたのかな?
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2019年8月1日
この穢らわしい展示物を片付けなかったら名古屋市民やめます。なう。
https://t.co/S8hLpsUYna
これで「慰安婦」少女像の展示が中止になれば、「表現の不自由」展はアートとして見事に完成するね。 https://t.co/O4QnHerABH
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2019年8月1日
なお、あいちトリエンナーレ実行委員会も、表現の不自由展実行委員会も、僕も「表現の不自由展・その後」に展示されている作品に対して何らかの賛否を述べるものではありません。来場者に実物を見ていただき、表現の自由を巡る状況に思いを馳せ、議論のきっかけにしたいということが展覧会の趣旨です。
— 津田大介 (@tsuda) 2019年8月1日