“日傘男子”は4%、専門医が熱中症対策に日傘を薦めるワケ

2019年8月2日(金)6時30分 ウェザーニュース


2019/08/02 06:29 ウェザーニュース

熱中症対策で男性も日傘を使いましょうと環境省が呼びかけ、日本一暑い熊谷市がある埼玉県は「日傘男子広め隊」を立ち上げるなど、“日傘男子”が話題になっています。
実際に男性はどれほど日傘を使っているのか、ウェザーニュースがアンケート調査を行いました(6月7〜8日実施、6470人回答)。

女性は61%、男性4%という落差

アンケートの回答を男女別に集計しました。
【男性】(4487人)
・使っている/3%
・今年デビューした/1%
・検討中/7%
・使っていない/89%
【女性】(1983人)
・使っている/60%
・今年デビューした/1%
・検討中/5%
・使っていない/34%
これほど男女差が大きいアンケート結果は珍しいのですが、男性の回答者のコメントを紹介します。
まず、使っていない男性は−−
「帽子で十分です」
「まだ抵抗があります」
「持って歩くのが面倒だから」
検討中の男性は−−
「使ってみたいが、恥ずかしい気がする」
「今年は思い切ってやってみるか」
使っている男性は−−
「女の子が『日傘は涼しいよ、ほら』って入れてくれて本当に涼しさを実感しました。それから使い始めました」
「イベントで1日外にいるときは必須です。直射日光に当たらないだけで疲れが全然違います。ただし、危険ですから人混みでは絶対に使用しません」

気象病専門家も“日傘男子”を実践

日傘はどれほどの効果があるのでしょうか。
「私が気象病の研究を始めて25年になります。その私が“日傘男子”デビューをしたのが3年前。やはり『男性が日傘なんて…』という気持ちがありました。しかし、使い始めるともう手放せません」と言うのはウェザーニュース気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の医師、佐藤純先生です。
佐藤先生が日傘を使い始めて気付いたのは、頭部に当たる直射日光を遮る効果です。
「たとえば、真夏の昼下がりに日射しが当たる頭髪の温度は55℃前後に上昇しますが、日傘を使うと40℃前後に下がります。15℃も低くなるので熱中症になる危険を大幅に下げてくれます。帽子も頭部への直射日光を防いでくれますが、頭に汗をかくとむれるので、日傘の快適さにはかないません」(佐藤先生)
日射しが強いときは日陰を選んで歩いたりしますが、交差点や駐車場には日陰がありません。そんなときは日傘がありがたいものです。

日傘の紫外線防止効果は?

なお、日傘は日焼けしたくないから使うものと思っている人が多いようですが、実は日傘だけでは紫外線を防げません。
「紫外線は波長が短いため空気分子などに当たると散乱します。夏の晴れた日の正午頃、地上に到達する紫外線のうち、約4割が直射光、約6割が散乱光といいます。つまり、日傘で4割の紫外線を防いでも、あちこちから飛んでくる6割の紫外線(散乱光)は防げません。日焼けを防ぐには、日傘だけでなく日焼け止めを使ってください」(佐藤先生)

男性用は晴雨兼用傘が主流

日傘のことをよく知らない男性のために解説すると、日傘は紫外線をカットする「遮光」だけでなく、高級品になると熱をさえぎる「遮熱」の機能も持っています。それが雨傘との違いですが、雨傘として使える晴雨兼用傘もあります。
最近は男性用日傘の種類も増え、落ち着いた色調やデザインで、ビジネスバッグに入れて常時携行できる折り畳み式の晴雨兼用傘が主流となっています。この夏はあなたも“日傘男子”デビューをして、酷暑を乗り切ってはいかがでしょうか。


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