74%が反対「慰安婦少女像」の芸術祭展示問題アンケート結果発表

8月5日(月)21時45分 文春オンライン


「あいちトリエンナーレ2019」の「平和の少女像」 ©共同通信社


 8月1日から開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が、様々な批判や意見が主催者側に寄せられた結果、開催から3日で中止となった騒動。問題となったのは、慰安婦像をモチーフにした「平和の少女像」の展示だった。


 これを受けて「週刊文春デジタル」では展示中止公表当日の8月3日(土)から8月5日(月)まで、緊急アンケートを実施。「『慰安婦』少女像の展示に賛成ですか? 反対ですか?」と読者に問うたところ、回答者の74.9%が「反対」と答えた。


 3日間で810人からの回答があった。回答者の内訳は、男性が566人(69.8%)、女性が244人(30.1%)。13歳から88歳まで、幅広い年齢層が回答した。


 結果は以下のグラフの通り、「展示反対」という意見が74.9%の大多数を占め、「展示賛成」の意見は16.2%にとどまった。男女別に見ると、「展示反対」は男女ともにほぼ同数だったが、「展示賛成」の意見は、男性のほうが女性よりも5ポイント以上多かった。



 男女別に見ると、「展示反対」は男女ともにほぼ同数だったが、「展示賛成」の意見は、男性のほうが女性よりも5ポイント以上多かった。



 20代以下全体では「どちらともいえない」という意見が32.0%を占めた。20代以下の女性では「展示反対」の意見は53.3%に留まり、「どちらともいえない」という意見が40.0%を占めた。30代以降では「展示賛成」の意見は各世代とも10%台だったが、70代以上の女性に限っては、33.3%が「展示賛成」と高い数値となった。


 以下に回答者の代表的な意見を紹介する。



1.展示に賛成


「芸術と政治を絡ませるのは良く無い。表現の自由が第一であり、政治的理由で展示を拒否する事は、検閲そのもの。過去の反省に立ち、検閲は絶対あってはならない」(男・73)


「展覧会の趣旨は,芸術的にも社会的にもまったく問題がない。それを公権力が不都合だからと排除しようとしている。そのような恫喝と脅迫に屈してはならない」(女・51)


「表現の不自由を扱うという視点での展示なのだから、その俎上に載った作品を展示すること自体に問題があるとは思わない。税金での助成を受けているからこういう展示はダメ、というのならば、行政の意向と合わないような作品は展示や上映できなくなる。それこそ全体主義だろう。芸術・文化への公的助成とはそういう趣旨のものではない。河村市長のような意見は下の下で、勝手に日本人の心情を代表してくれるなと思う」(男・41)


「政治の横槍で公開中止された作品を集めた展覧会が、政治の横槍で中止になったのは、ギャグのようだ。騒動自体が、上からの政治の圧力と、下からの一般市民の抗議が組み合わさる、今の社会の気持ち悪さを体現したアートになった」(男・37)


「物の見方として、一方的に決めつけるのは頭の固さであり、なぜこのよう物を展示するのか理由を考え、何が自分として納得できるのかまで考える必要があります。また、適切な初期対応を行わなかった政府の怠慢がこのようなことを許しているので、国民として、政府や官僚の怠惰の象徴としてとらえることも可能です」(男・65)


「少女像を見て、何を感じ取るかは、作品を見た人に委ねられるべき」(女・36)


「芸術や表現に対して、『好き』『嫌い』があるのは当然の事ですし、個人的な感じ方は人それぞれで良い。しかし、この作品を嫌う人が抗議をしたり、中止を求めたり、脅迫したりするのは愚かな行為ですし、政治家が口をはさむのも間違っている。今回の騒動こそ、まさしく『表現の不自由さ』を表現していますし、日本という国の生きづらさを証明してしまった。『好き』『嫌い』という個人的な感想は置いておいて、展示には賛成ですし、展示した意義もあったと感じています」(女・38)



2.展示に反対


「この像は、あまりにも政治的に利用されすぎている」(男・60)


「『慰安婦』の少女像は政治的色彩が濃厚で、純粋な芸術作品とは受け取りがたい。韓国では少女像については政治的な反日活動の材料に使われているので、このような展示会に公金を使うことは賛成できない」(男・70)


「自由の表現とプロパガンダは別物。どうしてもやりたいなら自分の金でやってほしい。公金を使ってやる展示ではない」(男・27)


「わざわざ税金を使ってすることではない」(女・51)


「今の国民感情が全く分かっていない」(女・58)


「タイミングがよくない。やたら物騒な事件が続く昨今の日本で、同様の危険を招く可能性が高いと判断せざるを得ない。今は『表現の自由』よりも、『国民の安全』を優先する方が適切であると考えます。ほとぼりが冷めれば、展示する機会はきっと到来するはずです」(女・47)


「一昔前なら『嫌なら見に行かなければいい』で済んだが、今はネットで拡散するため見たくない人の目にも入ってしまう。批判や抗議があることも当然であり、主催者側も想定していたようだが甘かったとのこと。展示の目的がプロパガンダであれば自費で開催し、興味がある人だけが見に行って感銘を受ければいい」(男・49)


「本当は表現の自由という点では検閲そのもので不本意ですが、来場者に危険が及ぶような事態が起きてからでは遅いので撤廃した方が良い」(女・48)


「何が問題なのか混乱しているが、県知事と名古屋市長との間で展示に関しての事前に擦り合わせがあったのだろうか」(女・52)


「今回の展示のコンセプトにばっちり合うのがこの慰安婦像だとは思えないし、もっとわかりやすくて政治的な意図が含まれない作品がいくらでもあるのに、ただの炎上商法的に慰安婦像を展示したのが、ただただ頭悪いとしか思えない」(女・38)


「企画の失敗。展示内容が『右から抗議を受けた作品』に偏っていた。各種の「市民団体」による、左側からの抗議を受けた作品とバランスをとって展示していれば、政治的に偏った印象を与えなかった」(男・57)


「表現の自由は勿論認められるべきだが、芸術祭なのだから芸術性の欠片も感じられず政治性しか伝わらない表現はお門違い。この慰安婦像に何らかの芸術性は全く感じられないという人が大多数だからこそ問題になっているのでは。そもそもこれのどこが芸術作品なのか説明して欲しい」(女・40)



3.どちらともいえない


「芸術作品と政治は別物。ネトウヨや自民サポが過激に反応し、河村市長まで尻馬に乗ってみっともない」(男・54)


「今回はいわくつきの作品であることが明確にされており、これこそが美術教育の真髄だと思う。このような展示は非常に素晴らしく賛成。しかし、一部の政治的思想にとりつかれた集団が暴れることを懸念すれば中止も止むを得ない」(男・50)


「基本的に会場内に展示であれば、見たい人だけ見るので良いが、この展示により、何か危険な事が起こる可能性があるなら展示をやめた方が良い」(女・52)


「自分が主催者なら、最初から展示しません。しかし一旦展示した以上は、脅迫には厳重な警備等で対抗すべきです。愛知県は腰抜け。騒ぎが大きくなったので、土曜日に知事まで出てきて、言い訳して展示を中止するなどは、情けない限り。何かあるといけませんから……みたいな姿勢はいけません」(男・67)


「政治や社会に向けて何かを発信することも現代アートの役割だと思うので、展示すること自体は問題ないと思います。そこから何を感じどう受け止めるかは観る側の問題。今回の企画展はそもそも過去に展示が困難になったものの何がどう問題にされたのかを改めて考えるというものだったのではないかと思うので、今回のような対応がなされるとしたら、企画そのものが成立しなくなってしまう。とても残念です」(女・52)


 みなさんご回答をありがとうございました。


「政治と芸術」の密接な関係を議論する好機を逸してしまった へ続く



(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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