世界で大人気の“見立て作家”が創作で「一番大切にしていること」
2024年8月5日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン
インスタグラムフォロワーは380万人超、展覧会の総動員者数が230万人を突破した、大人気ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏。“毎日”新たな作品を投稿し続けている同氏には「どうして、アイデアが尽きないのですか?」という質問が届くという。そこで本連載では、「感覚に頼らず、論理的にアイデアを生み出す法則」をまとめた『みたてのくみたて』を刊行した田中氏に、「アイデアは、尽きるどころか日々増えています」という発想の秘訣を、余すことなく伝えてもらう。(構成:ダイヤモンド社第三編集部)
3Dプリントの人形(左)、自作の人形(中)、既製品の人形(右)
人形を10万体以上そろえる理由
私が作品で一番こだわっているのが、人形のスケール感です。どんなにいいアイデアを考えついても、それが伝わるようにするには人形のサイズを適切に調整する必要があります。
例えば、歯ブラシをピアノに見立てるなら、人形は2cmがベストです。一方、ノートでピアノを見立てたい場合、人形は15cmでなければいけません。
同じピアノでも、実現したいアイデアによってさまざまなスケールの人形が必要になります。
イラストであれば、人を描くサイズは自由に変えられますが、ミニチュアで作品をつくるとなればそうはいきません。
そのため、人形は最小で5mmから、最大で30cmまで幅広いサイズをそろえています。
実際に数えたことはありませんが、アトリエにある人形はおそらく10万体以上。それだけ人形を集めていてもアイデアに合った理想的な人形が見つからず、作品全体の3割ほどは、それぞれに合わせてカスタマイズや、自作をしています。
3Dプリンターは、1つのデータからサイズを思うとおりに調整した人形を作れるので、今後より一層作品づくりで活躍してくれそうです。
(本稿は、『みたてのくみたて』を抜粋、再構成したものです)