【台風と空港】運航か欠航か、判断のポイントは風?

2018年8月8日(水)16時44分 ウェザーニュース


2018/08/08 17:14 ウェザーニュース

台風13号が関東地方に接近し、羽田空港と成田空港の発着便の一部で欠航が出ています。夏休みの旅行や帰省の足を直撃していますが、航空会社は台風が接近するときに、どのような判断で運航か欠航かを決めているのでしょうか。
元日本航空ディスパッチャー(運航管理者)で気象予報士の藤堂憲幸さんに聞きました。

欠航するか否かを決める3つのポイント

台風接近時、航空便の運航を中止するか否かをどう判断するのですか?
「航空会社は3つの視点で判断しています。1つ目は空港周辺の空域に発生している台風を取り巻いているラセン状の積乱雲列に伴う悪天(乱気流・竜巻・雷・雹・ダウンバースト・凍結など)域の影響を回避できるか」
「2つ目は空港の滑走路面の状態に加えて、強風・突風の影響により、滑走路の中心に沿って滑走路から外れることなく安定した姿勢で走行や離発着が可能か」
「3つ目は航空機が駐機中に風に煽られることに耐えられるか、お客様の降機や搭乗ならびに貨物や手荷物の積み下ろしに影響がないか、航空燃料の搭載が可能か、です」

向かい風なら風速値の制限がない

風速が何m以上だと運航できないといった基準はあるのですか?
「風速だけでなく、滑走路方向とのベクトル成分値(たとえば滑走路左前方45度からの風は風速を1.4で割る)で判断しています。一般的には、追い風(機体の後方から吹く風)成分が15ノット(約8m/s)を超えれば離着陸は禁止です。
また、横風(機体の真横に吹く風)成分が35ノット(約20m/s)未満でも滑走路面が濡れていたり、自動着陸を行う場合は不可となるケースが多いです。
なお、向かい風(真正面からの風)成分については、風向・風速の変動がなければ、風速値の制限はありません」

羽田空港と成田空港の違い

羽田空港は横風用滑走路がありますが、成田空港にはありません。羽田は離発着がOKでも、成田空港はダメということがありますか?
「そのような状況が発生することはありますが、逆に成田空港は離発着できて、羽田空港はできないこともあります。
なお、羽田空港の横風用滑走路(B滑走路・D滑走路)の04と05は離陸のみ可能で着陸不可の制限があり、一方で滑走路22と23は着陸のみ可能で離陸不可の制限があるため、まれではありますが強風の状況によっては離着陸できないことがあります」

国際線は欠航しない?

国内線は欠航しても、国際線はめったに欠航しないような気がするのですが?
「風の値による運航制限はいずれも同じなので、国際線は飛べるけれど国内線は飛べないということはありません。
ただし、国内線は運航予定当日のみ運航の権利を持っているので、その日のうちに飛行できなければ欠航するしかありません。しかし、国際線は翌日以降も運航の権利があるので、台風が遠ざかるのを待つなど24時間以上の遅延運航が可能です」
払い戻しなどを伴う欠航は大きな痛手です。それでも決断せざるを得ない航空会社は、欠航について厳格な基準を設けて運用しています。私たちが搭乗する便が欠航するか否かの判断に「風」が大きく関わっていたのですね。


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