山本太郎が安倍首相の“対韓国強硬姿勢”を「小学生高学年並み」と批判した理由! 国益上のマイナスを具体的に訴え

8月10日(土)23時45分 LITERA

 韓国に対して輸出管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」除外を政府が閣議決定した4日後の6日、安倍首相は広島での記者会見でさらなる関係悪化を招きかねない問題発言をした。


「(徴用工問題について)日韓請求権協定に違反する行為を一方的に行い、国交正常化の基盤となった国際条約を破っている」と指摘した上で、「日韓請求権協定をはじめ、国と国との関係の根本にかかわる約束をきちんと守ってほしい」「最大の問題は国家間の約束を守るかどうかという信頼の問題だ」と強調したのだ。


 経産省などは表向き、「ホワイト国」除外が、徴用工問題に対する報復的措置ではないと説明しているのに、当の安倍首相自ら報復を示唆したわけで、韓国側の反発は必至。さらなる日韓関係悪化が懸念される発言といえる。


 そんな対韓強硬路線の安倍外交を「小学生高学年並」「国益毀損」などと一刀両断、成熟した国として紳士的な対応を求めているのが、山本太郎・れいわ新選組代表だ。参院選の勢いをそのままに、日韓関係でも安倍外交のおかしさをズバリ批判する山本氏は、いまや野党陣営のリーダー的な論客として、枝野幸男・立憲民主党代表らと同等以上の存在感を示しているようにみえる。


 閣議決定前日の8月1日の新宿街宣(記者会見)では、山本氏は聴衆からの日韓関係の質問に答える中で、安倍外交を「小学生高学年並」「ナショナリズムを煽るもの」などとズバリ指摘した。


「『日韓関係が悪化して喜ぶのは誰だ』ということです。アジア諸国に対してあまりいい感情を持っていない人たちがいるのは知っています。いろいろな思いがあるのがあるのは分かります。けれども『国の場所は動かせない』ということです。同じ町内に自分の苦手とする人がいて『我慢がならない』と引っ越しをすることは可能だけれども、国の位置は動かせないのでしょう。だとしたら、うまくやっていくしかないのです。 『舐められてたまるか!』『ぶっ潰してやれ!』というような小学校高学年くらいの考え方は止めましょうということなのです。誰も得をしない。
『これはうまくつき合った方が絶対に得なのだ』ということが言えるものをこれからご覧に入れます。(モニターの画面にデータを提示) 日本から韓国への輸出総額は6兆円(2.8兆円の貿易黒字)ですよ。この6兆円がなくなってもいいと思うなら、好きなことを言ってください。でも私は、そのような感情よりも6兆円という利益を大事にしたい」


 山本氏は具体的なデータを提示して、対韓国輸出規制の弊害を説明し、韓国と「うまいことやる」の必要性を強調。こう続けた。


「皆さん、どうですか。ナショナリズムを煽りながら『あの国がどうだ、こうだ』とどんどん煽りながら、自分たちがやっている政治のマズさにベールをかける。内政の行き詰まりをナショナリズムを使って隠そうとする政治。まさに、今じゃないですか。うまくやるしかないじゃないですか。その利益(輸出額)が6兆円もあるんですよ。不当な扱いだというなら、国際社会を通じて訴え続けるしかない」


「これだけ大きな取り引きがお互いにされているということは、切っても切れない。 『(日韓関係を)うまいことやれや』ということなのです。うまいことやるつもりがないのなら、政治などやる必要がない」


 さらに山本氏は、演説をこんな印象的なメッセージで締めくくった。


「(日韓関係を考える上で大切な)一番は何かというと、国益のためなのです。そのためには不用意な発言で2国間の間に、亀裂が入ることはしてはいけない。たとえ相手方が(不用意な発言を)したとしても、日本側はあくまでも紳士的に対処するというのが国際社会のルールです。日本は成熟した国なのでしょう。成熟した国ならば、そのような対応が必要だと思います」


●山本太郎「安倍首相は国内の行き詰まりをナショナリズムで覆い隠そうとしている」


 ホワイト国除外の閣議決定前日に韓国への紳士的対応を求めた山本氏は、閣議決定から5日後の7日、渋谷での街頭記者会見でも同様の主張を表明した。日韓関係に関する私の質問に次のように答えたのだ。


「この直近での政権側の振る舞いを思い出したら、たとえば、『ホワイト国から除外しました』ということがあったと思います。私が疑問に思うのは何かというと、『それをすることによって得られるものは何なのですか』ということです。獲得目標があって施策を打つわけです。その獲得目標は何ですか」


 新宿街宣で安倍外交を批判した立場は、韓国に批判的な報道が多いなかでも、全く揺らぐことはなかった。それどころか、山本氏はさらに、安倍政権の日韓対立を利用しようという“政治的思惑”にまで踏み込んだ。


「はっきり言ってホワイト国除外をすることによって、日韓の間柄における輸出入に大きな障害が出来たことは間違いない。『それによって得られるものは何なのか』と言ったら私はマイナスの部分しか見えない。それによって得られる獲得目標を決めていないまま、感情的な決定が下されている。もしくは、国内の行き詰まりの部分をナショナリズムで覆い隠そうとしている部分があるのではないか。そうでないというならば、『ホワイト国除外をした末に日韓関係をどういう形にしたいのか。そこで得られる利益をどう最大化できるのか』という説明がセットではないと、これは理屈が全く通らない。少し前に戻って北朝鮮との関係、アメリカが『(北朝鮮を)ぶっ潰す』的なことを言っている時に後ろから日本側もやいのやいのと言っていました。それによって得られたものはあったのですか。『圧力をかける』と言い続けて、結果、得られたものは何だったかと言うと、『蚊帳の外』だったということです」


●あくまでプラグマティックに対韓国輸出規制のマイナスを訴えた山本太郎


 そして、山本氏はプラグマティックな立場から、対韓国輸出規制がいかに愚策であるか、ということを強調した。


「世界的な外交のルールとして、あくまでも紳士的な対応を続けるということが大原則だと思います。けれども、当然、こちら側から言えば、『向こう側だって』という話は当然出てくると思います。けれども、こちら側が紳士的に対応を続けることによって、どちらが正しいのかを世界に判断していただく。世界的な機関に判断をしていただくチャンスはあると思うので、あくまでも国益を守るために、そのような行動、決定をし続けないといけないというのが私の考え方です。(安倍首相の広島での)記者会見をおそらくつまびらかに見た状況になったとしても、考え方は変わらないと思います。
 6兆円に及ぶ日本からの輸出という部分に関して歯止めがかかったり、他にも訪日観光客数で見たとしても韓国からのお客様は全体の2割。これは非常に大きい。デフレが20年以上続いてきた国で消費が弱っているなか、その消費の一部を支えてくれているのは(訪日)観光客であるのは間違いありません。その中の2割に影響を及ぼすようなことを、最終獲得目標も決まっていない、考えていないなかで、そのような振る舞いをすることは国益を毀損するものであろうというふうに思います」


「舐められてたまるか」的な小学生高学年並の対韓強硬外交に邁進する安倍政権(首相)に対して、山本氏は韓国への紳士的対応を続けることこそ日本の国益にプラスと訴えた。「勇ましく戦えば結末はハッピーエンド」という戦争漫画の読みすぎではないかと疑いたくなる安倍首相と、ナショナリズムを煽ることを戒める山本氏——どちらが日本の舵取り役に値する言動をしているのかは、明らかなのではないか。


 参院選でのれいわ新選組の躍進、そして日韓問題での主張と安倍首相への鋭い批判を目の当たりにすると、少なくとも貧困や格差に苦しむ国民の間では、安倍政権打倒の機運と山本太郎首相待望論がどんどん高まっていくだろうと思えてくる。安倍首相に真っ向から闘いを挑み続ける山本氏から目が離せない。


(横田 一)


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