九州など記録的な大雨 総雨量1000mm超のおそれ 災害発生に厳重警戒
2021年8月13日(金)16時30分 ウェザーニュース
2021/08/13 16:23 ウェザーニュース
西日本では8月11日(水)頃から秋雨前線が停滞し、断続的に強い雨が降り続いています。
特に湿った空気が流れ込みやすい、九州の東シナ海側や中国地方では発達した雨雲がかかり続け、記録的な雨量を観測しました。
大雨特別警報の発表や緊急安全確保が発令された市区町村もあり、すでに河川氾濫や浸水被害、土砂災害が発生しています。
過去に経験したことがない記録的な大雨に
雨雲のもととなる湿った空気が直接東シナ海から流れ込む、長崎県や熊本県などを中心に雨量がまとまり、観測史上1位の値を記録しています。
特に12日(木)に発達した雨雲がかかり続けた長崎県雲仙市の雲仙岳では、昨日から今朝にかけての24時間降水量が570mmを超えて、降り始めから13日(金)15時までの総降水量が800mmに近づく記録的な大雨となっています。
また、福岡県や熊本県、広島県では線状降水帯が発生するなど短時間に集中的に雨が降り、河川氾濫や浸水被害が発生しました。
<13日(金)15時までの総降水量>
長崎県雲仙市 雲仙岳 788.5mm
長崎県島原市 島原 576.0mm
長崎県長崎市 長浦岳 563.5mm
福岡県大牟田市 大牟田 551.0mm
熊本県天草市 本渡 542.0mm
長崎県南島原市 口之津 531.5mm
多いところで総雨量は1000mmを超えるおそれ
17日(火)午前中までの予想積算降水量
まだこの大雨の終わりは見えておらず、来週中頃まで続くと予想されています。
一時的に雨が落ち着くタイミングがあるものの、西日本では断続的に激しい雨が降る予想です。特に九州北部では17日(火)午前中まででも広く300mm以上の雨が降るとみられ、そのあとも数日にわたり雨が続きます。
この時間までに降った雨の量と合わせると、局地的には1000mmを超えるところがあり、これまでに経験したことのない記録的な大雨となる予想です。
大規模な土砂災害の発生や、新たな河川氾濫、広域での浸水被害の発生などに、厳重に警戒してください。
命を守る行動を
これほどの雨が降ると「想定外」の事態が起こりうる状況です。
最新の気象情報や、自治体からの避難情報をこまめに確認し、逃げ遅れる前に危険な場所から避難するようにしてください。自分は大丈夫と過信せず躊躇せず、近所の方とも声を掛け合って避難するようにしてください。
少しでも危険を感じた場合は躊躇せず、周囲の状況を確認して、できるだけ命が助かる可能性が高い行動を取ってください。