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【女子の兵法・小池百合子】「退職後の皆さんが、ずっと肩書付きの名刺を持てる環境作りをしたい」

産経新聞8月14日(月)8時43分
画像:庁議で訓示する小池百合子都知事。2日で就任1年を迎えた=2日午前、都庁(酒巻俊介撮影)
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庁議で訓示する小池百合子都知事。2日で就任1年を迎えた=2日午前、都庁(酒巻俊介撮影)

 8月8日、東京都議会の臨時会が開かれた。都議会議員選挙を挟み、わずか2カ月で議会の景色は様変わりしていた。127人のうち女性議員は過去最多の36人。赤や白、グリーンといった華やかな色が目立ち、これから始まる改革への挑戦に目を輝かせる新人議員の姿がまぶしかった。私は新しい議会との両輪で、これまで以上のスピードを持って改革を進めていくことを楽しみにしている。

 都知事就任1年を迎えた8月2日には、幹部職員を集めた庁議で「世界や未来を見据え、戦略的かつ大胆に政策を磨き上げていくように」と訓示した。この1年間、私は待機児童問題の解消や首都直下型地震をにらんだ防災都市づくり、激化する都市間競争に対応する国際金融・経済都市への種まきをしてきた。今後はその種をしっかりと芽吹かせ、さらに、超高齢化社会への対応など必ずやってくる事態に備えた政策をより発展していく段階に入る。

 そこで大切なのは「人」というキーワードである。これまでの都政が経験したことがないほど都民、国民の注目は集まっている。その中で、私は従来の都政の延長線上ではなく、都民一人一人が輝く東京を創りあげていきたい。今だからこそできる、今だからこそしなければならない「人」にフォーカスをあてた政策を進めていくつもりだ。

 東京都は、昨年策定した2020年に向けた「実行プラン」に基づき、私の掲げる「セーフシティー」「ダイバーシティー」「スマートシティー」という3つのシティー実現に向けた政策を展開しているが、これらをさらにブラッシュアップしていく。7月21日に発表した重点政策方針2017「人が生きる、人が輝く東京へ」は、その一環だ。

 待機児童解消に向けて、昨年打ち出した7万人の定員を増やすプランに加え、今回の重点政策方針は、保育施設でも特色のあるプログラムを取り入れていくことを盛り込んだ。「量」だけでなく、「質」の充実も図っていくのがポイントである。

 また、高齢者福祉施設と保育所との「一体型」施設も重要だ。世代を超えた交流の場をつくり、子供の成長を温かく見守るとともに、大先輩たちが知恵と経験を伝授していく。

 そこにひとつの「コミュニティー」が生まれ、地域のつながりが深まり、お互いに助け合っていく精神がより育まれていけば、東京のマンパワーはこれまで以上に発揮されるのではないか。「人に優しい首都」を目指した重点政策方針は、新たな発想を採り入れていく挑戦でもある。

 私が2年目に力を入れていきたいのは、超高齢化への対応だ。2025年には首都・東京も人口が減少に転じ、団塊の世代の皆さんが、どっと後期高齢者入りされることになる。

 私は、特養などのベッド数確保もさることながら、退職後の皆さんが、ずっと肩書付きの名刺を持てる環境作りをしたいと考えている。勤勉な日本人の最善の健康維持策は社会での居場所の確保とそれを証明するツールの工夫だと思うからだ。生涯学び続けられる場作りも必要だろう。

 先の都議会議員選挙で、医師や弁護士など、スキルや専門性に富んだ「新しい議会」が誕生した。政局や根回しが上手といった従来の「政治のプロ」たちでは決してないが、それぞれの分野の第一線で活躍してきた議員が、これまでとは違う切り口で政策的提案をするだろう。都民の期待に応えるべく、行政と議会がより良い政策を競い合っていくことがいま求められていると感じている。

 孫子の兵法の「迂(う)を以て直と為し、患を以て利と為す」は、たとえピンチの中においてもチャンスを探すことの大切さを教えてくれる。人を活かし、人とともに成長していく首都づくりを戦略的かつ大胆に進めていく決意である。

 政策を競い合う緊張感のある議会との両輪ならば、ピンチに打ち勝つ処方箋を共につくりあげられると信じている。

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