お盆休みを直撃した台風8号 その影響は?
2022年8月15日(月)16時0分 ウェザーニュース
2022/08/15 15:04 ウェザーニュース
8月12日(金)に日本の南の海上で発生した台風8号は、その後ゆっくりと北上し、翌日13日(土)17時半頃に静岡県の伊豆半島に上陸。関東地方を縦断しました。
ちょうどお盆休みを直撃する形となった台風8号の影響を振り返ります。
雨台風?風台風?
今回の台風8号について、雨風はどのくらい強いのかウェザーニュースアプリにて調査しました。
雨風ともに「両方強い」と回答した方は千葉県・神奈川県・茨城県など海に面した地域を中心に回答の割合が多かったものの、「雨が強い」と回答した方は全体の約5割をこえました。
各地域の雨や風の観測値に着目すると、関東南部では1時間に30〜50mm程度の激しい雨を観測したところが多く、千葉県や静岡県では1時間に50mm以上の非常に激しい雨を観測したところもありました。
また、千葉県の外房や東京湾周辺の一部では20m/s以上の最大瞬間風速を観測したものの、都心や内陸部では10m/s前後の風にとどまりました。暴風域を伴っていなかったため、風の影響は台風としては小さかったと見ています。
実際の観測情報を見ても、今回の台風8号の影響は「雨台風」と感じる方が多かったのではないでしょうか。
お盆休みへの影響は?
お盆休みへの影響は?(スマホアプリ「ウェザーニュース」調べ)
台風8号の接近に伴って旅行や外出の予定を変更した人がどのくらい居たのか、ウェザーニュースアプリにて調査しました。
その結果、台風が上陸した静岡県や茨城県では4割を超える人が「変更した」と回答。また、山梨県や関東南部でも3割以上の人が「変更した」と回答し、台風が直撃したエリアでは3〜4割程度の人がお盆の予定を変更したことがわかりました。
13〜14日の気象や被害状況
■静岡県伊豆半島に台風上陸
13日(土)午前中は、台風から少し離れた少し離れた伊豆諸島から伊豆半島、関東に雨雲が流れ込んで、静岡県など東海地方を中心に強い雨が断続的に降りました。静岡県では朝時点すでに降り始めからの雨量が200〜300mmに達していた状況です。
その後、台風は昼以降に静岡に接近し、15時に御前崎付近を通過、17時半頃に伊豆半島に上陸し、夜の初めころにかけて静岡県内では雨のピークとなり、静岡県天城山では最大で1時間に65mm(15:41)の非常に激しい雨を観測しました。
■夕方以降、関東南部では道路冠水が発生
夕方になると活発な雨雲が関東南部を中心に流れ込み、各地で1時間に30〜50mmの激しい雨を観測しました。
【13日(土)に観測された1時間雨量の最大値】
東京 八王子 35.5mm(18:25)
東京 府中 35.5mm(19:16)
神奈川 箱根 37.5mm(16:32)
埼玉 飯能 35.5mm(18:19)
千葉 千葉 51.5mm(19:58)
関東南部の西部や千葉県、静岡県など激しい雨となったエリアを中心に「足首以上」冠水したという報告が多くなっていました。
また、沿岸部では風も強く、最大瞬間風速は東京都江戸川区・江戸川臨海で24.2m/s、千葉市で29.6m/sを観測。強風の影響で、JR京葉線は運転見合わせ、アクアラインも通行止めになりました。
■伊豆大島で線状降水帯が発生
夜になると、台風の中心は関東の東の海上へ進んだものの、台風を取り巻くらせん状の雨雲(スパイラルバンド)が伊豆諸島付近で停滞しました。
伊豆大島付近では3時間に200mm近い雨が降ったと見られ、気象庁は13日(土)22時59分に、伊豆諸島北部で線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いているとして「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。
その後、台風は日本の東の海上を北上し、14日(日)21時に温帯低気圧に変わりました。
今後の台風発生は?
台風の上陸は7月5日の台風4号に続いて今年2つめとなりました。また、静岡県に台風が上陸するのは2019年19号(伊豆半島)以来、3年ぶりのことでした。
今年の台風シーズンはまだ始まったばかりです。9月にかけて、さらに強い台風の接近・上陸の可能性があるため、いざという時のための備えを万全にしておきましょう。