水がない充填豆腐とは? 普通の豆腐と何が違う? 意外と知らない豆腐の種類

2023年8月16日(水)5時10分 ウェザーニュース

2023/08/16 05:02 ウェザーニュース

冷奴の美味しい時季になりました。現在、一口に豆腐といっても、伝統的な木綿豆腐や絹ごし豆腐に加え、いろいろな種類の豆腐が店頭に並んでいます。豆腐は一般的にあまり日持ちがしないものですが、最近、長期保存が効くと言われる豆腐も登場してきました。

豆腐は作り方で種類が分かれる

主な豆腐の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。

「最も歴史が古いのは木綿豆腐で、すでに奈良・平安時代には作られていました。
木綿豆腐は豆乳を加熱して凝固剤を加え、固まったらいったん崩してから木綿の布を敷いた型箱に流し入れて重石をのせて圧搾し、水分や油分(上澄み=「ゆ」という)を絞ります。その後型から出して水にさらし、切り分けてパックに詰めます。豆腐の中では栄養成分が最も多く、しっかりした食感をしていますが、これは水を絞っているからです。
江戸時代から作られてきたと言われるのが絹ごし豆腐です。
加熱した豆乳に凝固剤を入れた穴のない、布を敷かない型箱に一気に流し込み、固まるまでそっとしておき、その後は木綿豆腐と同様に仕上げます。木綿豆腐のように圧搾しないので、なめらかな食感が特徴で、濃い豆乳を用いることで形を保っています」(全国豆腐連合会)
木綿豆腐や絹ごし豆腐以外にも、あまり聞き慣れない豆腐もあります。
「木綿、絹の後を追って登場し、第三の豆腐とも言われるのが、充填(じゅうてん)豆腐です。
この豆腐は、冷たい豆乳を凝固剤と一緒に1丁ずつ容器に注入(充填)・密閉してから加熱して固めて作ります。木綿豆腐や絹ごし豆腐のように熱い豆乳ではなく冷たいものを使い、型箱に入れない、水にさらさないのが特徴です。製法は機械化による流れ作業の大量生産に適しています。
ほかに、寄せ豆腐があります。木綿豆腐の工程で、型箱に入れる前の寄せたままの豆腐という意味で寄せ豆腐と称したものと思われます。型箱での圧搾や水にさらさないので、木綿豆腐とは一味違った食味・風味が味わえます」(全国豆腐連合会)

長期保存可能な充填豆腐

充填豆腐は、作り方だけでなく他の豆腐にない特徴があるそうです。
「充填豆腐は、冷たい豆乳と凝固剤を容器に直接充填・密閉してから加熱凝固させるため、その間に殺菌が行われ長期保存できるのが大きな特徴です。また、高い温度に耐える容器を使っているので、容器ごと茹でることができ、豆腐のうま味を逃すことなく温められるメリットがあります。
また工程が少なく大量生産に向いていて、比較的お手頃価格で買うことができます。
ただ、木綿豆腐や絹ごし豆腐のように水にさらす工程がないので、凝固剤の若干のエグ味を感じる方もいらっしゃるようです。その場合は容器から出して、一度水にさらすとエグ味は抜けけるので、試してみてください」(全国豆腐連合会)

栄養価にも違いが

充填豆腐は豆乳から水分を抜いていないため、他の豆腐と栄養価にも違いがあるそうです。
「木綿豆腐(73kcal)に比べれば、絹ごし豆腐と同じくカロリーは低め(56kcal)で、カリウム(木綿110mg、絹150mg、充填200mg)とビタミンB1(木綿0.09mg、絹0.11mg、充填0.15mg)が三者の中で最も多くなっています。
逆にたんぱく質(木綿7.0g、絹5.3g、充填5.0g)と脂質は最も低くなります」(全国豆腐連合会)
豆腐は機能性にすぐれ、食感もよく和洋中、何にでも合う食品です。この時季、料理に合った豆腐で元気に過ごしたいですね。

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