2年後に迫る2020年の東京大会 猛暑に打ち勝つ秘策とは?

2018年8月19日(日)12時15分 ウェザーニュース


ウェザーニューズ スポーツ気象担当が語る

2018/08/19 11:21 ウェザーニュース

2020年の東京大会が2年後に迫る中、今夏は東京を含め日本各地で異常なほどの暑さに見舞われています。セーリングやトライアスロンに続き、気象条件が大きく影響するマラソンは、暑さ対策のためにスタート時間を朝7時にすると発表されています。
各国の代表として超一流のトレーニングを積んでいる選手の皆さんに対してお節介かもしれませんが、、もし同じような暑さになったらと思うとつい心配になっていまいますよね。
そこで、ウェザーニューズのスポーツ気象担当に、プロの目線での注目ポイントを聞きました。

※追ってさしかえます

勝負の鍵を握る「暑さへの対応」

「東京大会の気象に関するテーマは、まず「暑熱順化」です。
今年のような暑さになった場合、マラソンがスタートする7時の時点で、すでに30度を超える暑さになっている可能性があります。
このような、厳しい暑さの中で最大限の実力を発揮するためには、大会当日の気候の下でトレーニングを積み、いかに蒸し暑い体感に慣れるかがポイントとなります。これはデータとしても証明されています。
もう一つが、暑さによる体力消耗を最小限に抑えるかで、これはレース中の選手の行動が大きく影響してきます。
例えば、ペースを上げたり下げたりするタイミング、給水所で受け取るドリンクの中身の決め方がありますが、特に注目しているのが「いかに日影を走るか」と考えています。」(スポーツ気象担当)

日影を制する者が勝負を制する

品川駅周辺の地上気温のシミュレーションサンプル(夏の快晴日の12時)

上図は、品川駅周辺の地上気温のシミュレーションサンプル。同じ道路でも右側と左側とで色が異なっている場所があります。
これは同じ道路でも、日向か日影かによって大きく気温差が出ていることを表しています。
「今回のマラソンコース周辺も品川同様に都市部で、道路の両端にはビルが立ち並んでいるため、道路には日影が出来ることが分かっています。
うまく、日影がある場所を選んで比較的涼しい所を走ることによって、選手の体力の消耗は抑えられ、レースも有利に展開出来るのでは思っています。
コースの特徴としてゴール直前が急な上り坂となっているため、ある程度体力を温存して置かないと、最後に一気に順位が入れ替わることも想定されます。
最後に、選手はもちろんですが、観客の皆さんも出来るだけ日影がある場所を選び、熱中症などにならないよう気をつけていただきたいです。」(スポーツ気象担当)
なるほど。
暑い東京で熱い戦いが繰り広げられる2020年は、観戦する私たちも暑さとの戦いになりそうですね…。

スポーツ気象チーム 浅田佳津雄

ウェザーニューズでは、「天気を味方につける」「準備力を向上」を掲げ、気象面で日本代表チームを今からサポートしています。
天気を変えることは出来ないまでも、事前に気象に関するあらゆるデータを蓄積し、様々な天気への備えやレース当日の気象がアドバンテージとなるよう、選手の皆さんと一緒に準備を進めて行きたいと思います。


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