夏バテに効く! キムチが凄い理由

2018年8月20日(月)10時50分 ウェザーニュース


2018/08/20 10:44 ウェザーニュース

立秋を過ぎましたが、まだまだ暑さが続くようです。暑さに負けないためには、食事でスタミナをつけるのが早道です。夏は辛いものが恋しくなりますね。ピリッとした辛さがやみつきになるキムチが持つパワーについて、発酵学者の小泉武夫(東京農業大学名誉教授・NPO法人発酵文化推進機構理事長)さんに聞きました。

韓国のキムチがいい理由

釜山の釜田市場にならぶキムチ

現在、日本で一番多く食べられている漬物は何かというと、それはキムチです(19年連続、国内漬物生産量の第1位)。
「お勧めするキムチは、本場韓国の発酵したキムチ。朝鮮半島のキムチは、白菜や大根などの野菜を塩漬けにし、水を切って唐辛子、ニンニク、果物、アミやイカや小魚などの塩辛類と一緒に漬け込んで、発酵させて作ります。発酵する微生物はおもに乳酸菌で、野菜に付着している乳酸菌が増殖するのです。発酵の主目的は風味付けですが、発酵によって消化吸収が良くなり、ビタミン類が増える効果も見逃せません」(小泉先生)

乳酸発酵というプロセスが大事

小泉先生は、せっかく食べるなら、日本国内でも「乳酸発酵した」本物のキムチ(김치)にしましょうと推奨しています。なぜなら、日本で販売されているキムチのなかには、一番大切な乳酸発酵のプロセスという手間がかけられていない商品があるからです(こうしたキムチは「キムチ味の浅漬け」ということになります)。

“本物のキムチ”と発酵のチカラ

また、小泉先生によると“本物のキムチ”には、植物性乳酸菌のラクトバチルス(キムチ1gに約8億、ヨーグルトに匹敵する)が生育しているとのこと。
「善玉菌であるラクトバチルス乳酸菌は、胃酸にも強く腸内まで届き、有害細菌の増殖を抑え、腸を整ええてくれるのです。キムチのほかにも、ぬか漬け、味噌、醤油、日本酒などの発酵食品に含まれています」(小泉先生)

夏の旨辛優等生

その他にもキムチを漬けこむタレのヤンニョムには、テンジャンをはじめ多くの夏バテ対策につながる材料が用いられています。
【ヤンニョムに用いられる主な材料】
▼テンジャン(韓国味噌):フラボノイド(天然の有機化合物)、ビタミン類、ミネラル類、がん予防に効果があるとされる植物ホルモンなどが含まれる
▼あみの塩辛:アミノ酸などが含まれる
▼ニンニク:スタミナの増進につながるスコルジニンや、ビタミンB1の吸収を促進し代謝を活性化するアリシンが含まれる
▼唐辛子:胃液の分泌促進、消化を助けるカプサイシンが多く含まれ、またビタミンAとCの含有量も多いため、抗酸化作用があるとされている
▼生姜:血液循環を良くするジンジョロルが含まれる
また、キムチに漬け込まれている白菜、大根、リンゴ、梨などには繊維質が多く、低カロリーなど、まさに健康食品の優等生といえます。

「田家(でんけ)たむらのキムチ」

乳酸発酵させた“本物のキムチ”は、日本国内にもいろいろありますが、小泉先生が山梨県農政アドバイザーとして開発したキムチを紹介します。
富士山麓(山梨県富士吉田市)の雪解け水と美味しい空気、新鮮な地産(季節限定)の野菜を使い、丁寧に作られたのが「田家たむらのキムチ」です。甘味料・酸味料・着色料・保存料などは使用せずに、キムチの味の決め手でもあるヤンニョムから一つ一つすべて手作りです。キムチの味を引き出すのに欠かすことのできない干しメンタイ(スケトウダラ)の出汁、イワシの魚醤、アミの塩辛を使ってじっくりと熟成・発酵させています。
小泉先生によれば、本物のキムチを味わうには「酸っぱい独特の味」に慣れることだとか。ここにこそキムチの醍醐味があるのです。“本物のキムチ”の乳酸菌のチカラを活用して夏を乗り切りましょう。

参考資料など

「田家 たむらのキムチ」山梨県富士吉田市下吉田3-3-25、TEL:0555-24-2779


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