北海道で震度7の地震  最悪の状況下で役立つ究極の生存術

2018年9月6日(木)11時45分 ウェザーニュース


2018/09/08 21:43 ウェザーニュース

※写真は阪神淡路大震災
9月6日に北海道で震度7の地震が発生、4日には台風21号直撃で近畿エリア中心に暴風雨や高潮による甚大な被害が発生するなど、今年の6月以降、日本列島は自然災害が多発しています。
大規模な災害が起きた後は、直ちに救援・支援を受けられるとは限りません。災害時に、孤立した、避難所に入れないというような厳しい状況下で生き延びるための究極の生存術を紹介します。
※こちらの記事はウェザーニュースの月刊デジタルマガジン「月刊SORA」に掲載中の記事を一部編集してご紹介しています。

被災者が困るのはやはりトイレ

避難所で問題となった対応
文部科学省資料(2012年)より編集部作成

文部科学省が東日本大震災を受けて、2012年に各避難所でアンケート調査を行ったところ、「避難所の運営に関して、不足・不具合等問題となった施設・設備等はありましたか」という質問に対して、上のグラフのような結果が得られました。
大災害となれば被災していない自治体や国からの支援があります。続々と寄せられる物資が被災地のグラウンドなどにうず高く集められます。
その一方で被災者からは、トイレや暖房に対する要望が多かったといいます。「トイレ」「暖房」「水」は人間が生き延びるために、食料の確保と同等かそれ以上重要だということを知っておきたいものです。
そこで、今回は避難所にすら入れないという最悪の状況を想定して、新聞紙やペットボトルなど身近な物を使った生存術をご紹介します。

1. 簡易トイレの作り方

水や食料が不足している状況であったとしても、トイレをおろそかにしてはいけません。同じ場所で何度も用を足していると、排泄物が腐り、感染症の原因にもなってしまいます。そのため、トイレはできる限り衛生的に整えることが大切になってきます。
そこで、身近にあるものを使った簡易トイレの作り方を覚えておきましょう。作り方は簡単。バケツ(あるいは段ボール)の中でポリ袋を開き、そこに新聞紙をちぎって入れるだけ。新聞紙のおかげで乾燥が早まり、臭気も抑えられます。新聞紙がぎっしり詰まった袋のなかに排泄物を入れることで短期間の保管も可能になるのです。
簡易トイレで少しでも衛生的な状況を維持しておきたいですね。

2. 新聞紙を「着る」

シートの使用による着衣の表面温度の変化(提供:FCG総研)

東日本大震災のように、寒い時季に被災すると、どうしても不足するのが暖房器具です。防災グッズとして数多くの簡易暖房アイテムが販売されています。しかし、最悪の場合、準備していた防災グッズが津波で流されるなどということもあるかもしれません。
そんな時、新聞紙を「着る」のです。フジテレビ商品研究所の実験によると、暖房アイテムとしてゴミ袋を着用した場合より、新聞紙を重ね着した方が、表面温度の上昇度が4倍も高かったそうです。

3. 川の水や雨水を飲み水にする方法

水は人間が生きる上で最も重要なものです。各家庭で非常時に備えて水の備蓄をしている人もいるでしょう。しかし、地震・津波・洪水で備蓄していた物品を一気に失うことがあります。
そんな場合、川や池の水、雨水を飲み水として活用できるといいですよね。実は既製の防災用品に頼らなくても、身近な用品と自然界にあるものだけで、飲み水を作ることができるのです。
 用意するものはペットボトル、ガーゼ類、小石や砂利など。ペットボトルの底を切り取り、図のような配置で石などを詰め、上部から水を流します。すると余計な汚れがいくつかの層で濾過(ろか)され、綺麗になった水が下から流れ出てくるのです。
 この水を煮沸(しゃふつ)をして細菌や寄生虫を殺すと、一時的な飲み水にすることが出来ます。煮沸せずにそのまま飲むのは、あくまでもサバイバル飲料水だと考えてください。(本記事の初稿において、煮沸の必要性についての記載が抜けておりました。加筆・訂正してお詫び申し上げます。)

番外編. 非常食の切り札とは?

鰹節を1本置いておくと良い

水さえあれば1週間は生き延びられるとはいっても、やはり食事をしないわけにはいきません。そんな飲み水にすら困っているような状況では、水や火力を必要としない食品が力を発揮します。
発酵学者の小泉武夫博士が書かれた『賢者の非常食』の中にその答えがありました。ざっと挙げてみましょう! 
鰹節、納豆、味噌、スルメ、干し芋、お煎餅、飴、羊羹(ようかん)、ドライフルーツ、梅干の10品目です。どれもそのまま食べられ、保存が効き、栄養価が高いことで共通しています。 

缶詰は栄養価も高い

さらに優れた非常食が缶詰です。缶詰は長期の保存が効く上に種類も豊富。ここに挙げた食品は常日頃の食生活で使い回しながら“備蓄”しましょう。
災害時はどのような状況に置かれるかわかりません。自助、共助、公助ということばがありますが、まずは自助でなんとか生き延びられるよう、今一度サバイバルの知識や防災グッズの備えなどを確認してみませんか。

参考資料など

【参考】
エフシージー総合研究所
(http://www.fcg-r.co.jp/lab/goods/report/130816.html)


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