ポイントは「軸」!シャインマスカットを長持ちさせる保存方法
2024年9月9日(月)5時2分 ウェザーニュース
2024/09/10 06:00 ウェザーニュース
洗うだけで皮ごとそのまま食べられるシャインマスカットは、ぶどうの中でも特に人気が高まっています。黄緑色が鮮やかで宝石のような美しさを持つこのブドウは、高級品種としても知られていますが、特に繊細な扱いが必要で、保存にも気を遣う必要があるそうです。
上手な保存法を山形県天童市の果樹農園、hiro.smile.farmの後藤広美さんに伺いました。
甘さと芳香、種なしで皮ごと食べられる魅力
シャインマスカットは日本で品種改良されて約30年、ようやく2006年に誕生した比較的新しい品種です。
「粒の黄緑色が際立って冴え、大粒なので見た目が豪華、味は強い甘みと爽やかなマスカットの香り、種なし大粒で、しかも皮に渋味がないため皮ごとでパリッとした食感も味わえるという、非常に魅力的なブドウです。
その魅力から急速に栽培農家が増え、2015年時点ですでに栽培面積がブドウ品種の中で4位になったほどです」(後藤さん)
上手に保存するには洗わず軸を残す
確かに店頭にシャインマスカットが並んでいると人目をひくほど色がきれいです。しかし、粒が大きいだけに1房のボリュームがあり、一度に食べきれない場合があります。
「ブドウの皮の表面にはブルームという白い粉がついています。これは、脂肪酸などでできたブドウの天然成分で、雨や朝露などをはじいて病気や水分の蒸発を防ぐためのものです。
シャインマスカットも同じで表面にブルームがついていますが、洗ってブルームを落としてしまうと鮮度を下げる原因になります。そこですぐに食べずに保存するには、まず洗わないことが重要です。
次に、房ごと保存する時は、一房ずつ新聞紙などで包んで、冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。
房から実を外す場合は、手でもいではいけません。もいだところに穴があいたり、皮が切れたりして、そこから傷み始めてしまうのです。
実を外す場合は、ハサミで実の2〜3mm上を切り、軸ごと実を切り離します。その上で実を傷つけないよう軸を下に向けずに並べ、キッチンペーパーで包んで保存容器やチャック式の保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存してください」(後藤さん)
ブドウは上の方の粒が甘いので、房ごと食べる場合は下の方から食べていくとだんだん甘みを感じられるようになるそうです。
贈答品としても人気のシャインマスカット。もし沢山頂いても、上手に保存して美味しくいただくのがおすすめです。
参考資料など
取材協力/果樹農園ヒロ・スマイルファーム