【安倍首相記者会見詳報】(下)首相、進次郎氏に「責任ある立場で能力発揮し、結果を」

9月11日(水)22時48分 産経新聞

会見に臨む安倍晋三首相=11日午後、首相官邸(納冨康撮影)

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 安倍晋三首相は11日、第4次安倍再改造内閣発足後に官邸で記者会見を行い、「ポスト安倍」候補といわれる岸田文雄政調会長、茂木敏充外相らを起用した狙いや、環境相に抜擢した小泉進次郎への期待などについて語った。

 −−今回の内閣改造・自民党役員人事でポスト安倍候補と呼ばれる岸田文雄政調会長、茂木敏充外相、河野太郎防衛相、加藤勝信厚生労働相らを起用した。それぞれにどのような活躍を期待しているか。38歳で環境相に抜擢(ばってき)した小泉進次郎氏の起用の狙いは。韓国のいわゆる徴用工訴訟への対応や輸出規制、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄など問題を抱えている外務、経済産業、防衛の3閣僚が交代したが、新たな布陣で日韓関係の改善にどのように取り組むか

 首相「今回の改造人事をよく見ていると思う。それぞれの閣僚についてのミッションは先ほど冒頭で申し上げた通りだが、令和の時代が幕を開けた。新しい時代の国づくりに向かって、各閣僚にはそれぞれの分野で大胆な改革に挑戦してもらいたいと期待している。自民党は老壮青、まさに人材の宝庫だ。その中から例えば今までも(衆院)当選回数3回、4回という山下貴司前法相や斎藤健元農林水産相といった若手を登用したこともあった。そういう若い人材にも能力を発揮してもらい、新しい発想で発揮していただいた。積極的に機会を作ってきたという思いだ」

 「今回は小泉進次郎氏に環境相をお願いした。小泉氏は確か(平成21年の衆院選)初当選から10年だと思う。私が10年たったころ、どうしていたかなと思うと、ちょうど小泉進次郎氏のお父さん、当時の小泉純一郎首相に官房副長官から幹事長に任命されたころだった。当選まだ3回だったから、果たして準備が十分にできていなかったのではないかと思うが、それまで(自民党の)部会長や国対副委員長を務めていた。そういう経験をしていたが、幹事長となると党務全般を把握して、結果を出さなければならないという大変な重責、プレッシャーを感じたことを思い出している。しかしその中で、大変多くの人に支えていただき、何とか職務を全うすることができたのかなと思う。そういう意味で現在、首相としての重責を担う上でも糧(かて)となった。進次郎氏にも環境相という責任ある立場で、いかんなく能力を発揮してもらいたいと思うが、すでに農林部会長や厚生労働部会長を務めている。当時の私よりも年季が入ってるなと、政治的な技術においてだが、そう思う。結果をぜひ出してもらいたいと期待している」

 「日韓関係について、韓国側から日韓請求権協定への一方的な違反行為など国家間の信頼を損なう行為が残念ながら相次いでいる。政府としては国際法に基づき、韓国側の適切な対応を求めている。その方針は一貫したものであり、新しい体制の下でも微塵(みじん)も変わるものではない。これまで通り韓国には、まずは国と国との約束を守ってもらいたいと考えている」

 −−憲法改正について。自民党役員人事では二階俊博幹事長と岸田氏が留任し、参院では世耕弘成前経産相が参院幹事長に起用された。新たな布陣でどう憲法改正に取り組むか。党の憲法改正推進本部長には、どのような人物を起用するか。改憲手続きを定めた国民投票法改正案について、次の国会でどのように取り組むか

 首相「先の参院選で、常に私は、しっかりと憲法の議論を進めていくのか、あるいは議論すらしないのか、それを決める選挙だとずっと訴えてきた。その結果、私どもは国民の信を得ることができたと思うし、最近の世論調査でも議論はしなければいけないという回答が多数を占めていると承知している。まさに議論は行うべきというのが国民の声なのだろうと考えている。選挙で約束したことを実行に移していくことが政治の責任であり、自民党としては本日発足した新しい体制の下で憲法改正に向けた議論を力強く推進していく考えだ。党四役を含め、自民党の役員、議員、共通の考え方だと考えている」

 「令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向かって、衆参両院の第一党である自民党が今後、憲法審査会で強いリーダーシップを発揮していくべきだろうと考えている。自民党はすでに憲法改正のためのたたき台を示している。このたたき台は、すでに党大会で承認された党の意思となっていると思うが、立憲民主党をはじめ野党各党も、それぞれの案を持ち寄って憲法審で憲法のあるべき姿について、与野党の枠を超えて活発な、国民が注視、注目しているわけだから、その期待に応える議論をしてもらいたい」

 「国民投票法の改正案は憲法審で、与党でしっかりと議論してもらいたいと期待しているが、同時に憲法改正の中身についても議論していくことが国民の皆さんに求められているのではないかと思う」

 −−世界経済が減速し、米国や欧州の中央銀行は利下げし、経済を刺激しようとしている。首相はどうしてこのタイミングで消費税を上げるのか。また、もしよければ来週始まるラグビー・ワールドカップで日本代表の勝敗について、首相の予想はどうか

 首相「まず世界経済について、世界的に貿易をめぐる緊張が増大している。世界経済の先行きについても不透明さを増している状況だと認識している。先般のG7(先進7カ国)サミット(首脳会議)でも一致したが、世界経済が抱える下振れリスクに対し、十分に目配りし、顕在化すれば機能的かつ万全の政策対応を行うなど経済運営に万全を期していく」

 「消費税の引き上げについて、これまでも累次説明してきたが、社会保障を全世代型に転換していくための安定的な財源でもある。10月から引き上げる消費税によって国民に約束した幼児教育の無償化を進めていくことになり、真に必要な子供たちの高等教育の無償化、これは大きな改革に踏み出すわけで、そのための財源でもある。いずれにせよ、先の(平成26年4月に)3%引き上げたときの経験も、また反省も踏まえながら、引き上げにあたっては軽減税率の導入準備などに万全を期すとともに、教育の無償化、思い切ったポイント還元、プレミアム付き商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など十二分の対策を遺漏なく実施していくことで、消費をしっかりと下支えし、経済の回復基調を確かなものとしていきたいと考えている。決して日本の経済が世界経済の足を引っ張ることにならないよう万全を期していきたい。最近報道などで国民が軽減税率、ポイント制度について分かりにくいという声もあることは承知しているので、十二分な説明を心がけていきたい」

 「ラグビーのワールドカップは今、大変注目を集めている。開幕戦は日本対ロシアだが、(今月初めに訪問した極東)ウラジオストクでも、ロシアの聴衆の前で日本が勝つことを私は期待していることをはっきりと申し上げたが、是非初戦を飾ってもらいたい、予選を突破してもらいたい。こう期待している。いずれにせよ、日本で初めて開かれるラグビーのワールドカップ、まさに世界最強豪のチームが集まって最高のプレーを展開してくれる。日本各地で展開される。これは日本全体に大きな力を与えてくれると期待している」

 −−日露関係について。茂木外相を起用したが、どのように北方領土問題を含む平和条約締結交渉の突破口を開いていくか。外相の交代でロシアにどういうメッセージを送り、どういう効果を期待するか

 首相「領土問題は戦後70年以上、残念ながら解決されなかった。もとより、その解決は容易なものではない。困難な課題、容易ではないからといって、首相としてそれを見送ることは責任の放棄であり、この領土問題を解決していくために全力で取り組むのは首相としての責務だと思って努力を重ねてきた。その中で私とロシアのプーチン大統領は、領土問題を次の世代に先送りすることなく、自らの手で必ずや終止符を打つという強い意思を共有することができた」

 「茂木氏にはTPP11(環太平洋戦略的経済連携協定)や日米貿易交渉で、交渉手腕を発揮してもらった。その交渉力には定評があり、ロシアとの交渉でもその手腕を発揮してもらいたい。もちろん今までも岸田氏や河野氏にも大変尽力していただいた。今度は茂木氏の今までの経験と手腕を生かしてほしい。茂木氏とラブロフ露外相の間でこの問題が進んでいくことを期待している。政府としては幅広い分野で日露関係を国益に資する形で発展させつつ、領土問題を解決し平和条約を締結するとの基本方針の下に、引き続き真剣に交渉を進めていく決意だ」

 「北方四島の経済活動についてパイロットプロジェクトがいよいよ動くことになってきた。元島民の航空機による墓参も連続して行われている。今まで入れなかった場所にもプーチン氏の決断で入れるようになってきているので、元島民にも喜んでもらうことも出てきたが、さらに進展させていきたい。交渉そのものを進展させていくため、茂木氏の交渉力に大いに期待しているところだ」

産経新聞

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