史上最悪の極右内閣が誕生! 教育勅語を掛け軸にする文科相、バノン大好き法務相、日本会議のガチメンバーも入閣

9月12日(木)6時58分 LITERA

本日発表された“史上最悪の極右内閣”(首相官邸HPより)

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 本日発表された第4次安倍再改造内閣。すでに事前のマスコミによる入閣報道の時点で、その顔ぶれから“史上最悪の極右内閣”になることは確定していたが、あらためて新閣僚の過去の発言やトンデモ思想、差別性をチェックしてみると、本当にこの国は行くところまで行こうとしているとしか言いようがない。


 そもそも、今回の内閣改造の最大の特徴は、現政権の極右政策の旗振り役を務めてきたり、メディアへの圧力を担ってきた“側近”たちで要所をガチガチに固める布陣。つまり、安倍首相の極右思想を具現化したようなメンツだ。


 その筆頭が、一億総活躍担当相として初入閣した衛藤晟一参院議員だ。一億総活躍の他に領土問題、沖縄北方、海洋政策なども担当するが、これは安倍首相の極右イデオロギーをモロに反映させた采配だろう。


 そもそも衛藤氏は、学生時代には当時「大日本帝国憲法復元」を主張していた宗教団体・生長の家の活動家で、日本青年協議会の委員長を務めるなど、日本会議をその前身から支えてきた筋金入りの極右だ。政界入り後は、自身の初当選から1期遅くれて当選した安倍氏を弟分として可愛がり、まさに“右派の家庭教師”として極右イデオロギーのイロハを叩き込んだとされる。まさに長年、安倍氏と二人三脚で極右政策を推進してきた存在だ。


 たとえば、若手時代には安倍氏らとともに「歴史・検討委員会」に参加。この委員会は、のちに「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(教科書議連)に発展し、自民党内で慰安婦問題の否定など歴史修正主義の中心的役割を担ってきた。「SPA!」(扶桑社)1995年7月12日号では、日本の戦争責任を〈侵略か否かの問題は、当時侵略という定義はなかったわけで、非常に判断が難しい〉などと語り、大日本帝国による韓国併合についても平然とこう吐き捨てている。


〈韓国併合にしても1910年だから、85年も前の話ですよ。85年前のことを謝罪せよと言われても、「確かにつらかったね」としか言いようがないと思います。特に韓国とは、’65年の日韓基本条約で区切りがついているわけだし、当事者でもなく、当時の歴史もよくわからない人が謝罪するというのはおかしな話じゃありませんか。〉


 現在も日本会議国会議員懇談会の幹事長をつとめ、選挙でも日本会議の支援を受けている衛藤氏は、いわば、日本会議と現政権の“直接的窓口”だ。


 一例をあげると、日本会議は「令和」の新元号を天皇の代替わりより前に公表することに「遺憾の意」を表明したが、このとき“日本会議側から安倍首相へのメッセンジャー”として官邸に働きかけたのが衛藤氏だ。また、2016年の明仁天皇(当時)によるいわゆる「生前退位のおことば」をめぐっては、安倍首相から事前検閲を指示された衛藤氏が、“万世一系の神話的イメージ”を維持するために天皇・皇后の考えた文章を削除したこともわかっている(伊藤智永『「平成の天皇」論』講談社)。


 衛藤氏の入閣は、安倍首相が日本会議に代表される戦前回帰的極右団体との協力関係にまた一段ギアを上げたことを意味している。「日本会議の生みの親」とも呼ばれる村上正邦・元参議院幹事長は、2016年の雑誌のインタビューでこう発言していた。


「もし安倍さんが日本会議の言い分を尊重しようとしているなら、衛藤晟一(首相補佐官)を大臣にしているはずですよ。だけど、入閣させてないということは、そういうことですよ。日本会議の象徴は、稲田(朋美・防衛相)じゃない。稲田だとみんな言うが、衛藤ですよ」(「週刊ポスト」2016年9月2日号/小学館)


 その“日本会議の象徴”である衛藤氏を、とうとう安倍首相は大臣に任命した。第二次安倍政権以降、不動の首相補佐官を任せていたが、これからはアドバイザーとしてだけでなく、領土や領海を担当する大臣として、表立って安倍政権の極右政策やタカ派外交を現実化させてほしい──そういう安倍首相の考えがダダ漏れになっていると言わざるを得ない。


萩生田光一の女性差別思想…参院選では「一番の功績は出産」発言を擁護


 そして、この衛藤氏に比肩する“極右新大臣”が、文科相として初入閣する萩生田光一衆院議員だ。萩生田氏については昨日の記事(https://lite-ra.com/2019/09/post-4960.html)でも、加計問題を中心にその大臣としての資格のなさを指摘したが、あらためておさらいしておこう。


 そもそも萩生田氏は、安倍氏が第一次政権を放り投げ、自民党内で求心力を失った時期においても、ずっと“忠犬”として尽くしてきた側近中の側近だ。2014年の総選挙では、『NEWS23』(TBS)に安倍首相が生出演した際、アベノミクスに対して批判的な街頭インタビューを流し、安倍首相が「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくしたててブチ切れると、萩生田氏はすぐさま在京キー各局に恫喝文書を送りつけるなど、報道圧力の尖兵としても動いてきた。


 萩生田氏の思想は戦前回帰的なゴリゴリの極右だ。2014年10月にはBS番組で、河野談話について「もはや役割は終わった。骨抜きになっていけばいい」「(安倍首相による)戦後70年談話で、結果的に骨抜きになるんじゃないか」と発言するなど、歴史修正をむき出しにしてきたが、その危険性は教育行政のトップに就いたときにこそ最大限に発揮されるだろう。


 たとえば、性差別的な発想だ。萩生田氏は2007年に、日本会議の設立10周年大会にメッセージを送り、〈入会直後直面した、「行き過ぎたジェンダーフリー教育、過激な性教育」対策では日本会議の識者の先生方の後押しもいただき、党内でも問題を喚起し、ジェンダーの暴走をくい止め、正しい男女共同参画社会へと路線を変更する事ができました〉などと自慢げに報告している。この「行き過ぎたジェンダーフリー教育」云々というのは、日本会議が男女平等を否定し、“女は家の中にいろ”という前時代的価値観を喧伝するときに使うレトリックだ。


 実際、先日の参院選では、自民党の三ツ矢憲生衆院議員が吉川有美候補の応援演説で「一番大きな功績は子どもをつくったこと」と、性差別丸出しの発言をし問題になったが、このときも、街頭演説に同席していた萩生田氏は「母親になって一つ大きくなった候補を応援してほしいという趣旨だ」と擁護していた。これは「功績は子どもをつくったこと」発言の問題点をまったく理解していないだけでなく、逆に「母親になること=女の仕事」かのような萩生田氏の差別意識を露わにしたとみなす他ないだろう。


●議員会館に教育勅語の掛け軸、教科書に圧力…萩生田の戦前回帰的教育政策


 他にも、昨日の記事でも触れたが、萩生田氏は2013年、安倍首相の「(現行の教科書検定基準には)伝統、文化の尊重や愛国心、郷土愛について書き込んだ改正教育基本法の精神が生かされていない」と発言したことを受け、自民党の「教科書検定の在り方特別部会」の主査に就任した。同部会は「自虐史観に立つなど、多くの教科書に問題となる記述がある」と教科書批判を展開。教科書会社の社長や編集責任者を呼び出し、〈南京事件や慰安婦問題、竹島などの領土問題、原発稼働の是非などに関する教科書の記述〉について聞き取りをおこない、議員らが「経緯の説明が足りない」「偏っている」などと意見する(朝日新聞2013年6月4日付)など、露骨な“圧力”行動に出たこともある。


 さらに象徴的なのが、前川喜平・元文科事務次官がきのう投稿したツイートだ。


〈やっぱり萩生田文部科学大臣か。ひどいことになるだろう。彼の議員会館の事務職には、教育勅語の大きな掛軸が掛けてあった。〉(原文ママ)


 教育勅語の掛け軸をかけていたというこのエピソードからも、萩生田氏の目指す教育が、いかに戦前回帰的なものであるかは明らかだろう。


 いずれにしても、安倍首相はこれまでの萩生田氏の“忠犬”ぶりを買って、教育行政のトップに起用したのだ。萩生田氏が文科大臣としてやることは明らかだろう。お得意の“圧力”でどんどん現場から自由や平等・反差別の教育を「骨抜き」にし、歴史修正主義を加速させ、安倍政権による改憲を後押しするため、かならずやトンデモな教育行政を推し進めていくはずだ。


 さて、初入閣組ではこの衛藤氏と萩生田氏が攻撃的な極右政治家の“ツートップ”だが、だからといって、他の面々がまともなわけでは決してない。


 たとえば、経産相に起用された菅原一秀衆院議員は、自民党の元ネットメディア局長で、ネトウヨの巣窟である別働ステマ部隊「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC、通称ネトサポ)の親玉。元愛人に「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」と女性差別丸出しの暴言を繰り出した過去を「週刊文春」(文藝春秋)にすっぱ抜かれたこともある。


●河井克行法務相はアメリカのネトウヨの親玉・バノンとアパホテルで


 また、法相の河井克行衆院議員は、差別主義者であるスティーブン・バノン前米大統領首席戦略官を自民党の講演会に招き、一緒にアパホテルを訪れ、ツーショット写真を嬉々としてブログにアップするような神経の持ち主。今年8月にもワシントンDCでバノン氏と性懲りもなく会談しており、河井氏のブログによると、話題のほとんどを韓国政府のGSOMIA破棄に費やして、ホワイトハウスへ働きかけてくれるよう“告げ口”したという(なお、日刊ゲンダイによれば、小学校時代のあだ名は「スネ夫」だったらしい)。


 法相としての資質も大いに疑問だ。河井氏はかつて、取り調べの録音・録画などの「可視化」について、〈私は「分かりやすい立証」を進めるという名の下に取り調べの可視化を図ることがどれほど捜査現場の手足を縛り、なし崩しの禍根をもたらすか、危惧しています〉〈日本が築いてきた治安の良さを覆す大問題〉として猛烈に反対していた(「正論」2009年5月号/産経新聞社)。裁判所や検察当局を所管する大臣として、この人権感覚の欠如は致命的だろう。


 他にも、農水相の江藤拓衆院議員は、2007年に櫻井よしこ氏らが米紙ワシントン・ポストに出した従軍慰安婦の強制性を否定する意見広告に、稲田朋美衆院議員らとともに賛同者として名前を連ねた。地方創生相の北村誠吾衆院議員も2012年、米ニュージャージー州地元紙に出稿された慰安婦の強制性を否定する意見広告に安倍晋三氏らとともに賛同者として登場している。国家公安委員長で行革担当相などを兼任する武田良太衆院議員もタカ派政治家だ。数年前には防衛副大臣として参加したフランスの武器見本市で、あろうことか楽しそうにライフルの銃口を人に向け、払いのけられた場面がテレビに映され顰蹙を買った。


 留任・再入閣組の閣僚も当然のように極右だらけだ。息をするように差別発言を繰り返す麻生太郎財務相は言うまでもなく、ナチス礼賛本を宣伝したことやネオナチ団体代表とのツーショット写真でも知られる「電波停止」発言の高市早苗衆院議員が総務相に返り咲いた。


 こうした新閣僚の面々を見てもわかるように、ようするに、安倍首相の極右思想や歴史修正主義、そして韓国バッシングの旗振り役となる者だけが、大臣として出世できる。そういうことだろう。事実、穏健保守派の政治家は閣僚や党の要職にもほとんど起用されないし、安倍首相に刃向かった石破派の議員たちは入閣ゼロに終わっている。つまり、この“史上最悪の極右内閣”が意味するのは「安倍シンパにあらずんば政治家にあらず」ということらしい。


 私たちができるのは、この極右むき出しの組閣をちゃんと批判することだ。でなければ、日本はどんどん“安倍サマのための極右国家”になっていってしまうだろう。
(編集部)


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