YouTuberが逮捕される…イタズラも度が過ぎると犯罪になる?

9月17日(日)21時35分 All About

福井県で警察官の前で白い粉末をわざと落として逃げ去ろうとし、警察官に追いかけられたシーンを撮影して、YouTube(写真:Shutterstock)にアップしていた夫婦が偽計業務妨害罪で逮捕されたそうです。イタズラも度が過ぎると犯罪になる場合があります。注意点を弁護士が解説します。

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白い粉を持って逃げたら偽計業務妨害罪

福井県で警察官の前で白い粉末をわざと落として逃げ去ろうとし、警察官に追いかけられたシーンを撮影して、YouTubeにアップしていた夫婦が偽計業務妨害罪で逮捕されたそうです。偽計業務妨害罪とはどんな犯罪で、日常生活上注意すべき点について考えてみたいと思います。

偽計業務妨害罪とは

偽計業務妨害罪は、真実に反する嘘や情報を不特定又は多数の人に流す、騙す、その人が事情を知らないことを利用する、といった手段で業務を妨害した場合に成立します(刑法233条)。

業務というのは、職業などの社会生活情の地位に基づいて継続して行う事務と言われています。分かりにくいですが、例えば、家庭で行われる炊事や掃除は継続して行われているとしても職業などの地位に基づいていませんので当てはまりません。もっとも、一般的な「業務」のニュアンスからはビジネスとか営利活動といった意味を連想しますが、法律上そのような要素は不要です。例えば、無償のボランティア活動も「業務」にあたります。

偽計業務妨害罪で有罪になると、3年以上の懲役又は50万円以下の罰金の刑罰を受けます。

ちなみに、先ほど指摘した方法で「人の信用を毀損」する場合には信用毀損罪という犯罪が成立します。刑罰の重さは同じです。

偽計業務妨害を認めた裁判例はどんなものがあるか

無言電話も犯罪になる場合も
偽計業務妨害罪の典型例は、蕎麦屋に嘘の注文を出して準備させた、といったものですが、裁判例を見ていると、様々な行為について犯罪が成立すると判断されています。いくつか例を挙げます。

●店舗の入り口に「本日休業」と貼り紙を貼って客を帰らせた
●電力量計を加工して実際の使用量より少ない電力量を表示させた
●店頭で販売されている寝具に縫い針を差し込んだ
●飲食店に対する多数回の無言電話
●2台ある銀行ATMの一台に盗撮用ビデオカメラを取り付け、その一台に事情を知らない客を誘導するために、残り一台のATMに客を装って占拠し続ける行為

これらの例から分かるように、偽計業務妨害罪が成立するのは様々で共通点を見出すのは難しいですし、どこまでがセーフで、どこからがアウトなのかもよく分からないと思います。

イタズラで偽計業務妨害罪が成立する可能性もある

このように分かりにくい偽計業務妨害罪ですが、いわゆる「イタズラ」が偽計業務妨害罪にあたる可能性があることに注意しないといけません。

昔、テレビである芸能人が、自分の若い頃の面白話として深夜のうちにバス停を何十メートルも移動させてしまい、翌日、バスがやって来るといつもある場所にバス停がなくなっているため、運転手が慌てる様子を見て面白がっていた、というエピソードを披露していました。

ちょっとやり過ぎのイタズラだなと感じる方が多いでしょうが、このイタズラだと、偽計業務妨害罪に該当することは間違いないと思います。

白い粉を持って逃げた人も、イタズラのつもりでやったのでしょう。

単なるイタズラにとどまるか偽計業務妨害罪まで成立するかの違いは、そのイタズラによって業務を妨害したどうかという点です。

例えば、友人に電話をして「大変なことが起こった」と伝えて、どこかの場所に呼び出すといったイタズラは偽計業務妨害罪に該当しません(ただし、友人が何からの業務に従事している場合は別です)。これは業務の妨害がないからです。しかし、友人ではなく、蕎麦屋に連絡して「蕎麦10人前を●●に出前お願いします」といって出前をさせるのは、友人へのイタズラ電話と行為自体は似たようなものですが、偽計業務妨害罪に該当します。これは、イタズラが業務に従事している人に向けてされているためです。
(文:今西 順一)

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