千葉で停電続くも安倍政権はいまだ冷酷対応!「関係閣僚会議」も開かず菅官房長官は「台風被害」なのに「豪雨被害」と

9月17日(火)7時0分 LITERA

首相官邸ホームページより

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 首都圏を直撃し、甚大な被害をもたらした台風15号。なかでも千葉県の被害は深刻で、昨晩からつづいた大雨によってきょうは館山市や南房総市で避難勧告が発令。また、停電復旧の見通しはどんどん後ろ倒しとなり、13日時点で全面復旧には約2週間かかるとの見通しが出され、台風直撃から1週間となったいまも約7万3000戸が停電中(本日18時時点)。さらに熱中症による死亡者も3人で、15日には通電火災が発生するなど二次被害も出ている。


 1000戸を超える家屋被害に、1週間以上もつづく停電や断水、土砂災害の危険──。一方、この被害規模に対し、安倍政権はあまりにも無責任かつ冷酷な対応をとりつづけている。


 たとえば、13日の記者会見で千葉県の台風被害への対応について問われた菅義偉官房長官は、こう断言した。


「今回の豪雨災害への対策については、大雨となる前から災害発生後にかけて、迅速かつ適切におこなったと考えております」


 まず、そもそも今回の被害は「千葉県観測史上最大を記録した暴風被害」「台風被害」と呼ぶべきもので、「豪雨災害」ではない。菅官房長官はほんとうに被害状況がわかっているのかと心配になるが、その上、6日と10日に関係省庁災害対策会議を開かれたことを理由に「対策は大雨となる前から災害発生後にかけて迅速かつ適切におこなった」と言い張ったのである。


 まったく冗談じゃない。気象庁が「記録的な暴風となるおそれがある」と発表したのは8日だがこれを受けた政府の動きは見られず、安倍首相が政府として対応をとったのは、首都圏で大きな被害をもたらした9日未明から4日も経った13日のこと。しかも、それは閣議後におこなわれる閣僚懇談会で安倍首相が停電復旧に全力を挙げるなどの指示を関係閣僚に出しただけだ。


 ようするに、安倍首相はいまにいたるまで、非常災害対策本部の設置はおろか、関係閣僚会議さえ開かず、「総理指示」も出していないのである。


 言っておくが、台風についてはこういう対応が普通というわけではない。実際、8月の台風10号のときは、8月14日、16日に関係閣僚会議を開き、「先手の対策を」と指示していたし、7月の台風5号のときも20日に国民への情報提供や避難支援などの対策についての「総理指示」を出し、22日には関係閣僚会議を開き「政府一体で対策を」と指示していた。


 また停電被害だけ見ても、昨年の北海道地震の際の43時間停電をもしのいでいる。


 繰り返すが、それが今回は、きょうになってもその「関係閣僚会議」も「総理指示」もないままなのである。これははっきり言って、政府として危機管理対応がまったく機能していない状態に陥っているのだ。


 しかし、ここまで被害が出ているにもかかわらず、一体なぜ、安倍政権はこんな態度に出ているのか。それには大きな理由があった。


 なんと、じつは8日日曜日には関係閣僚会議を開催する動きがあったというのに「大きな被害は出ない」として見送りにしていた上、9日には官邸幹部との会議で「2、3日で復旧するだろう」という見方を共有していたと、13日放送の『NEWS23』(TBS)が報じたのだ。


 ここで、8日から安倍首相が何をしていたか、いま一度振り返ろう。


 まず8日は、午前中に下村博文・元文科相の次男の結婚披露宴に出席したあと、15時すぎには富ヶ谷の私邸に帰宅。そのあとは麻生太郎財務相が遊びに来て1時間半ほど滞在し夕方17時すぎに帰っただけ、私邸でのんびり過ごしている。


 さらに甚大な被害が少しずつ判明してきた9日も同様で、台風被害に関係ありそうなのは、10時8分からたった5分間、沖田芳樹内閣危機管理監、関田康雄気象庁長官から報告を受けたくらい。あとは米国でNSC関係者と会談した薗浦健太郎首相補佐官、世耕弘成経済産業相など韓国への圧力を担う経産省関係者と面談しただけで、18時28分には自宅に帰っている。


 復旧が予想以上に遅れていることが問題化しはじめた10日も、閣議のあと、会ったのは麻生財務相、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、大塚海夫情報本部長だけ。19時41分に富ヶ谷の私邸に帰っている。そして、11日にはご存じのとおり、内閣改造が予定どおりにおこなわれた。


 ようするに、安倍首相をはじめ政権は、気象庁の警鐘を無視して台風被害を甘く見積もって対応を怠り、さらに甚大な被害がもたらされたというのに「2、3日で復旧する」などという無責任な判断をおこなった。しかも、安倍首相は11日に災害対応指示もそっちのけで、内閣改造を延期することなく強行したのだ。


 このように、安倍政権は危機管理の欠如どころか、国民の安全・生命を守ることを完全に放棄していたのだ。昨年の「赤坂自民亭」問題、および豪雨災害の初動の遅れを、安倍首相はまたも繰り返したというわけだ。


 しかし、断固として関係閣僚会議を見送り、被害発生後も甘い見通しで危機意識を持てていなかった「危機管理の欠如」を認めるわけにはいかない。だからこそ、「いまさら」と言われないために、いまだに安倍首相は「関係閣僚会議」も開かず、「総理指示」も出していないのではないか。


 さらに、内閣改造を延期しなかったのも同じ理由だろう。なかには「そんな重要な日程は動かせない」などと思っている人もいるかもしれないが、内閣改造は過去にも延期されたことがある。それは1999年9月30日午前、茨城県東海村の核燃料加工施設・JCO東海事業所で臨界事故が発生したときのことで、10月1日に内閣改造をおこなうことが予定されていたが、当時の小渕恵三首相は「こうした際に内閣改造をすることへの国民からの批判なども考慮」(朝日新聞1999年10月1日付)し、10月5日に内閣改造を延期したのだ。


 こうして延期しても、小渕首相に対しては「なぜいま内閣改造か」という批判も起こったのだが、安倍首相は驚くべきことに、そもそも「災害」などなかったことにしてしまったのである。


国民を見捨てて政権への批判を封じ込める──。昨年の豪雨災害時の対応といい、もはやこれは棄民政策であり、戦慄するほかない。


 しかも、下劣なことに、安倍自民党は批判をかわすために責任を東京電力に押し付けた。実際、自民党が13日に開いた停電被害にかんする対策会議では、東電の初動の遅れや見通しの甘さを指摘する声が上がったという。「初動の遅れ」「見通しの甘さ」というのは、まさしく安倍首相に対して向けるべき言葉だが、こうして責任を東電にすり替えたのだ。


 さらに、安倍応援団の高橋洋一氏は、災害被害があきらかになるなかでおこなわれた内閣改造について〈実務ではまったく影響ない。それどころか、かえっていいタイミングだ〉などと論評。内閣改造によって中央省庁官僚が手一杯で地方に災害のことを問い合わせる時間の余裕がなく、〈地方の官僚が余計なことをしないですむ〉からだと主張した(「J-castニュース」9月12日)。


 唖然とするような擁護だが、この無茶苦茶な主張と同様に、ネット上では現地視察をおこなった国民民主党・森ゆうこ参院議員に対して「迷惑行為」などというバッシングが発生。一方、“安倍政権のヤジ将軍”のひとりで、昨年の豪雨災害の被災地である岡山県選出の自民党・小野田紀美参院議員はこんな投稿をおこなった。


〈昨年の豪雨災害の時、ある首長さんから「現地に、役所に来ないでくれてありがとう」と言われた事があります〉
〈以前そういう話も聞いた事があったので、現場に駆けつけたい気持ちは抑えて一定の期間は現地に行かず、地方議員の方々や現地の支援者に電話で状況を伺い、国会議員の立場を使って出来る事に集中した一年前でした〉
〈何が言いたいかというと。表に見えなくても災害が起きれば政府は政府で、自民党としても与党として可能な限りの動きは既にやっているし、その地域に詳しくない議員がしゃしゃり出て行っても役に立たない〉
〈なので、現地に赴いて説明を聞いたりする様子をUPする議員をとにかく賞賛し、敢えてそうせず裏で動く議員を叩くような行動は控えて頂きたい。それを恐れてわらわらと現地に議員が行けば、困るのは現地の方々です〉


 政府も自民党もやることはやっている、国会議員や官僚が動くのは迷惑だ──。このように、安倍首相の初動の遅れなど棚に上げて、逆に被災地復旧のために動くことのほうに批判が巻き起こっているのである。


 国民の生命の安全を放棄した総理大臣は批判されず、復旧のために汗をかく人びとが批判される。だが、こんな状態が看過されていいはずがない。メディアもしっかりと政権の無責任かつ身勝手極まりない対応を検証・批判しなければ、安倍首相は何度も同じことを繰り返してゆくだろう。
(編集部)


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