公認心理師制度 ケア充実に新資格生かしたい

9月17日(日)6時2分 読売新聞

 現代人が抱える心の問題に、新たな資格制度が大きな役割を果たしていくよう期待したい。

 カウンセリングなどに携わる心理職の国家資格を定めた公認心理師法が15日、施行された。

 超党派の議員立法で2015年に成立した。来年秋に1回目の国家試験が実施され、最初の公認心理師が誕生する予定だ。

 心の問題で支援が必要な人々の心理状態を観察し、適切な助言や指導を与える。活動の場としては、医療現場や学校、企業、私設の相談室などが想定されている。

 東日本大震災で注目された震災被害者への心のケア。後を絶たない「いじめ」への対応。こうした場面で、心理職の役割はますます重視されるようになっている。

 厚生労働省の調査によれば、国内で働く心理職は約4万人いる。制度創設から約30年を経た臨床心理士など、今では社会的に広く認知されている資格もある。

 ただ、従来の資格制度はいずれも民間によるため、認定条件や試験は様々だ。個々人の力量のばらつきを指摘する声は絶えない。臨床心理士と臨床発達心理士の違いなど、一般の利用者には分かりづらい面もあった。

 公認心理師は、大学と大学院で指定の科目を修めた人などに受験資格が与えられる。現在、心理職として働いている人も、所定の条件を満たせば今後5年間は受験できる経過措置が取られる。

 信頼できる国家資格の創設は、利用者が安心して相談できる機会を広めることになろう。

 公認心理師は、長期的には国の様々な施策の担い手として組み込まれていく可能性もある。資格の取得者にとってもメリットが大きいのではないか。

 公認心理師法は、公認心理師の支援対象者に主治医がいる場合、「その指示を受けなければならない」と規定する。医師の投薬を妨げて、状態が悪化するような事態を懸念したものだ。

 医療以外の教育分野などでは、医師の指示は必須ではなかろう。厚労省は、国家試験開始までに、この規定に関するガイドラインを策定する。無用な混乱を防ぐためにも必要な措置だろう。

 来春には、志望者を対象にしたカリキュラムが大学に設けられる。7年後に、そのコースを経た公認心理師が第一線に出る。

 厚労省と文部科学省、大学などは、制度設計の詳細や教育内容の充実に努め、志望者が戸惑うことのないようにしてもらいたい。

ヨミドクター 中学受験サポート 読売新聞購読ボタン 読売新聞

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