今年のリンゴも猛暑の影響が!? 10月に高値となる野菜、お手頃な野菜とは?
2023年10月2日(月)5時10分 ウェザーニュース
2023/10/02 05:03 ウェザーニュース
やっと秋の気配が感じられるようになってきましたが、まだ野菜には暑さの影響があるようです。10月の気になる価格動向について、スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長に伺いました。
10月に価格が心配な野菜とは?
暑さの影響を受け高値になったのが、ダイコン、ニンジン、ネギ、トマトなどです。
「ダイコンはまだしばらく高いでしょう。まず北海道で高温障害になりましたが、今はむしろ低温で生育が進まなくなり、北海道、東北が生育不良で供給が不足しているのです。10月の後半にかけて関東産が出てくるので、値段が下がっていきます。
今、高値のニンジンも、似たような状況です。だいたい10月後半から落ち着いてくるでしょう。
さらに、ネギも記録的な高値が続いていますが、10月も高めに推移しそうです。東北・北海道が高温障害にやられてしまっているためです。10月後半から、徐々に落ち着いてくるかと思います。
トマトは、3割高から2倍くらいまで値上がりました。ミニトマトは高温障害の影響を受け、もっと高かった。ただ、10月の半ばには少し落ち着くと思います」(秋葉社長)
葉物野菜は、秋になっても続いた暑さの影響で乱高下の予想だといいます。
「コマツナ、ホウレンソウなどの葉物野菜は、基本的に10月後半にかけて上がります。暑さの影響で種まきが遅れ、多くが9月の後半になりました。スタートラインが一緒になってしまったので、端境期ができ、その後一気に出回るようになります。
だいたい10月の後半に供給が少なくなって値段が上がり、少しおいて平年より安くなるでしょう。
キャベツは、1回値上がりします。今は嬬恋(つまごい/群馬県)のものがメインですが、高温の影響で終わりになるのが1、2週間早くなります。
それなのに茨城などの後続の産地が遅れているので、10月半ばくらいまで高くなっていくでしょう。後半はちょっと落ち着いてくると思います」(秋葉社長)
10月のお買い得野菜は何?
高値で推移する野菜が多い一方で、少ないながらもお買い得になる野菜もあるといいます。
「比較的安定しているのが、サツマイモです。10月の半ばくらいから少し減りますが、これは貯蔵に回される分があるからです。毎年のパターンで、値上がりというよりは流通量が減ります。
ナスはずっと安めですね。ナスは気温と関連するので、10月のどこかの時点で減ると思いますが、大きな問題はありません。
きのこ類は、今年は少し高めですが、生産量を抑えているからです。全体として落ち着いているといえます」(秋葉社長)
旬の果物への影響は?
秋の楽しみである果物はどうでしょうか。
「今年のシャインマスカットは味が良いものが多く、価格も平年より1割、2割安い状態が続いています。日照不足もなく高温のおかげで糖度も高いです。長野に視察に行ったら出来もとてもよかったです。
高温障害でダメになった農園も多少ありますが、全体として生産量が年々増えています。11月になると貯蔵に回されるものがあるので、主産地の長野産が出る10月に食べておきたいですね。
りんごは高値になりそうです。今年は赤いりんごが少ないなとみんな思っていると思いますが、黄色くなったり色が悪いのが出回っています。気温が下がらない状況が続いたので、赤く色づかないのです。
特に影響を受けているのが、りんごの主力であるサンフジです。なしも高温の影響で価格が高めになっていますが、味はおいしいです」(秋葉社長)
おいしく家計にもやさしい野菜を上手に選んで、食欲の秋を楽しみましょう。