この冬にかけて ラニーニャ現象続く 寒い冬に

2020年10月9日(金)15時23分 tenki.jp

気象庁は、9日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。夏からラニーニャ現象が発生しているとみられ、今後冬にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高いと見込んでいます。

9月の実況

気象庁は9日、エルニーニョ監視速報を発表しました。
9月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値で基準値との差は-1.1℃、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の7月の値は-0.7℃ でした。太平洋赤道域の海面水温は中部から東部にかけては平年より低く、西部で平年より高くなりました。海洋表層の水温は中部から東部にかけて平年より低く、西部で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。このような海洋と大気の状態は、ラニーニャ現象の特徴を示しており、夏からラニーニャ現象が発生しているとみられます。

今後の見通し

太平洋赤道域の中部から東部に見られる海洋表層の冷水が今後冬にかけて維持され、東部の海面水温が平年より低い状態が継続すると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、今後、冬にかけて基準値より低い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後冬にかけて、ラニーニャ現象が続く可能性が高くなっています(90%)。

西太平洋熱帯域 及び インド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域:9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬にかけて、基準値より高い値か、基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域:9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、冬にかけて、基準値に近い値か、基準値より低い値で推移すると予測されます。

ラニーニャ現象の冬は どうなる?

ラニーニャ現象が発生している時は、太平洋赤道域で吹く東風が、平常時よりも強くなります。その結果、太平洋赤道域の西部では、強い東風によって吹き寄せられる「暖かい海水の層」がより厚くなり、インドネシア近海の海上では、積乱雲がより盛んに発生します。
一方、太平洋赤道域の東部では、冷たい水の湧き上がりが、平常時より強くなります。そのため、太平洋赤道域の中部から東部では、平常時よりも海面水温が低くなるのです。
このラニーニャ現象が発生すると、世界中の天候に影響を及ぼし、日本付近では、冬は気温が低くなる傾向があります。昨冬は、西・東日本で記録的な暖冬だっただけに、この冬は、寒さが一段とこたえそうです。台風14号の後は、一時的に暖気が入りますが、この冬は、しっかりした寒さ対策を心がけてください。

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