渋柿は甘柿より甘い?! 渋柿を甘くするための意外な渋抜き法

2023年10月10日(火)5時10分 ウェザーニュース

2023/10/10 05:00 ウェザーニュース

秋の果物の代表選手、柿が店頭に並ぶ時季になりました。普通、スーパーなどで流通している柿に渋いものはほとんどありませんが、自宅で実った柿が渋くて食べられない、という場合もあります。
しかし、渋柿はうまく処理すると渋が抜けてとても美味しくなるそうです。詳しい話を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

甘柿も実は渋い?

柿が渋いのは、「タンニン」という渋み成分が含まれているからです。
「渋柿はもちろん、甘柿にもタンニンは含まれています。このタンニンには水溶性と不溶性があり、甘柿に含まれるタンニンは不溶性です。
つまり、口に入れて噛んでもタンニンが溶け出すことがなく渋みを感じないのです。一方、渋柿のタンニンは水溶性なので、口に入れた瞬間から溶け出して強烈な渋みを感じます。
意外ですが、一般的に糖分は甘柿より渋柿の方が多いといわれています。渋柿は水溶性タンニンに邪魔されてその甘みを感じられない状態のものなのです」(吉田さん)

渋柿を甘くする裏ワザ

渋柿の甘みを引き出す裏ワザがあるそうです。
「渋柿を甘くするには、よく『渋を抜く』といいますが、甘くなった渋柿から渋=タンニンが抜けるわけではありません。水溶性のタンニンを何らかの方法で不溶性のタンニンにすることで、渋みを感じることなく渋柿が本来持つ甘みだけが感じられるようになるのです。
渋柿を甘くする方法として最も知られているのが干し柿です。干し柿を作る際、皮をむくとその刺激でタンニンの成分が変化して渋みを感じにくくなり、さらに水分が抜け、果肉の熟度も進むので甘くなります」(吉田さん)
渋柿は干す以外にも甘くする方法がいくつかあります。

「焼酎を使う、電子レンジにかける、ドライアイスを使う、などです。いずれも原理はアセトアルデヒドを利用して水溶性タンニンを不溶性に変化させ、渋みを感じにくくするものです。
焼酎にはアセトアルデヒドが含まれますし、ドライアイスを使うと柿が自らアセトアルデヒドを産生するので、この性質を利用するのです」(吉田さん)
(1)焼酎をつける方法
ボウルに焼酎(アルコール度数30度以上なら何でも可)を入れ、そこにヘタの部分を数秒浸け、ポリ袋に入れて口を閉じて1〜2週間置く。
(2)電子レンジを使う方法
皮をむいて十字の切り込みを入れてからラップの上に置く。そこにスプーン半分ほどの焼酎を垂らしてラップで包んだら600Wのレンジに30〜40秒かける。
(3)ドライアイスを使う方法
ケーキや生菓子を購入した際についてくるドライアイスを新聞紙で包み、柿と一緒に入れてしっかり空気を抜いてから口を閉じて、4〜5日置く。
甘くした渋柿は甘柿よりも日持ちがしないので、甘くなったら早く食べることがポイントだそうです。
柿にはビタミンCがたっぷりで、さらにβカロテン、カリウム、食物繊維も豊富です。旬の今、たっぷり食べて夏の疲れを癒しましょう。

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