ハリケーンMiltonがフロリダ半島横断 竜巻や洪水で大きな被害
2024年10月11日(金)11時0分 ウェザーニュース

2024/10/11 13:45 ウェザーニュース
日本時間の昨日10日(木)にフロリダに上陸したハリケーンMilton(ミルトン)は、今日11日(金)3時にフロリダ半島の東の大西洋で温帯低気圧に変わりました。フロリダ州では巨大な竜巻が複数発生したり、記録的な豪雨になるなど大きな被害をもたらしました。
上陸地点の北に位置するタンパでは、トロピカーナ・フィールド(MLB タンパベイ・レイズの本拠地球場)にも竜巻等の突風によるものとみられる被害が生じました(写真)。
▼温帯低気圧Milton 10日(木)午後2時(東部夏時間)
中心位置 ケープカナベラルの東北東約320km
移動 東北東 33 km/h
中心気圧 983 hPa
最大風速 33 m/s(1分間平均)
ハリケーン接近前に多数の竜巻

Miltonは最盛期に中心気圧が897hPaまで低下し、メキシコ湾・大西洋エリアでは史上5番目の勢力の強力ハリケーンとなりました。5段階ある強さのランクの最も強いカテゴリー5で、台風でいう「猛烈な」勢力に相当します。
その後はやや勢力を落としたものの、上から3番めの強さにあたるカテゴリー3で、日本時間の10日(木)昼前にフロリダ半島に上陸しました。

竜巻の発生状況
ハリケーンの中心から東側に伸びたアウターバンドには「スーパーセル」と呼ばれる巨大な積乱雲が複数含まれ、多数の竜巻が発生しました。アメリカ国立気象局のStorm Prediction Centerでは、フロリダ半島の南部を中心に45件の目撃報告が確認されていて、マイアミ管区だけでも5〜7の巨大竜巻が発生したとみられます。
このためフロリダ半島の南部ではハリケーンの上陸前から家屋倒壊などの被害が相次ぎました。
1時間で120mm以上の豪雨を記録
ハリケーンの中心近くでは記録的な豪雨になりました。西岸にある主要都市タンパに近いセント・ピーターズバーグでは、1時間最大で129mm、総雨量は480mmに達しています。先日の能登半島の大雨被害の際に輪島市で記録した雨量が1時間最大で121mmでしたので、それに匹敵する豪雨です。
タンパの10月の月雨量の平年は約60mm、最も多い8月でも約230mmですので、今回の雨量が非常に多かったことがわかります。これだけの雨が短期間で降ったことで大規模な洪水に見舞われました。
また、ハリケーンの中心付近は暴風が吹き荒れ、タンパの周辺地域では瞬間的に45m/s前後の風速を観測しています。
依然として洪水の影響は継続していることもあり、被害の全貌はわかっていません。