大型で非常に強い台風19号 紀伊半島や伊豆諸島が暴風域に
2019年10月12日(土)6時37分 ウェザーニュース
2019/10/12 06:42 ウェザーニュース
10月12日(土)5時現在、大型で非常に強い勢力の台風19号(ハギビス)は日本の南を北上しています。風速25m/s以上の暴風域は直径が650kmと巨大で、既に紀伊半島の和歌山県の一部や八丈島など伊豆諸島南部が暴風域に入っています。
台風19号は今日12日(土)夕方から夜にかけて静岡県や関東付近に上陸する予想で、記録的な暴風や大雨による経験したことのないような災害に厳重な警戒が必要です。
▼台風19号 10月12日(土)5時
存在地域 八丈島の南西約330km
大きさ階級 大型
強さ階級 非常に強い
移動 北 20 km/h
中心気圧 935 hPa
最大風速 45 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 65 m/s
台風15号の強風域よりも大きな「暴風域」
衛星画像 気象庁
千葉などに猛烈な暴風被害をもたらした台風15号は非常にコンパクトで、上陸時の暴風域の直径は160km、強風域の直径は390kmでした。
一方、今日12日(土)5時現在の今回の台風19号の暴風域の直径は650kmなので、15号の強風域よりも大きな暴風域を伴っていることになります。このため台風19号は、暴風に警戒が必要な範囲が15号と比べて非常に広いことが特徴です。
12日(土)6時までに、伊豆諸島の八丈島空港では最大瞬間風速35.0m/s、静岡県の石廊崎では最大瞬間風速32.7m/sを観測するなど、太平洋沿岸で風が強まり始めています。
また、台風の外側の渦巻き状の活発な雲「アウターバンド」が本州にかかり始めていて、激しい雨が降る所が増えています。既に静岡県伊豆市の湯ケ島では1時間に54.0mmの非常に激しい雨を観測しています。
大型台風 広範囲で猛烈な暴風に警戒
各地で風雨の強まる時間帯予想
西日本から北日本の広範囲で暴風が予想され、特に台風の進路の東側にあたる関東地方などで、最大瞬間風速50m/sを超えるような猛烈な風が吹くおそれがあります。
屋外の物を可能な限り屋内に入れ、雨戸を閉める、窓ガラスを補強する、停電に備えて懐中電灯や備蓄バッテリーを準備するなどの対策をとってください。
特別警報級の大雨にも警戒
予想雨量
関東西部や東海、甲信、東北地方などで特に大雨に警戒が必要で、伊豆半島など多いところでは24時間に1000mm近い雨が降り、記録的な大雨となるおそれがあります。
西日本と比べて大雨の経験が少ない地域と重なるため、これまでに経験したことのないような災害が発生するおそれがあります。土砂災害や河川の氾濫、床下浸水、床上浸水等が広範囲で発生する可能性があり、厳重な警戒が必要です。危険な状況になる前に躊躇なく避難をすることが重要です。
沿岸では高潮や高波による被害にも警戒
各地の満潮時刻
14日(月)の満月を前に、満潮と干潮の潮位差が大きい大潮の時期となっています。満潮時の潮位が普段よりも高い所に、台風による高潮の影響が加わり、海面が普段よりも高い状況になることが予想されます。
さらに、台風通過後にかけて波が非常に高いことで、沿岸の地域では海水が陸地に打ち上げられることが予想されます。沿岸部の施設では事前に可能な限りの対策を行い、台風の通過後にかけては海に近づかないようにしてください。
停電や交通混乱などインフラ麻痺のおそれ
停電リスク予測
すでに飛行機の欠航や電車の計画運休の発表、道路の通行止めなどが決定しているところがあり、設備の被害状況によっては影響が長引くことが考えられます。三連休を利用して外出される予定をたてている方は、各交通機関の状況を確認し、予定の変更を検討してください。
猛烈な風が吹く沿岸部や、樹木の多い郊外を中心に、停電が多発することも懸念されます。通信インフラへの被害も予想され、情報の入手さえもままならない状況となることも考えられます。テレビやラジオ、PC、スマートフォンなど、様々な手段を用意しておくことをおすすめします。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風19号の名前「ハギビス(Hagibis)」は、フィリピンが提案した名称で、「すばやい」という意味の言葉が由来です。