<さいたま地裁>9条俳句不掲載「違法」 市に賠償命令

10月13日(金)21時35分 毎日新聞


 さいたま市立三橋公民館が、憲法9条について詠んだ俳句を公民館だよりに掲載するのを拒否したのは、憲法が保障する表現の自由の侵害に当たるなどとして、作者の女性(77)=同市大宮区=が市に句の掲載と200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、さいたま地裁であった。大野和明裁判長は「不公正な取り扱いで違法」などとして、市に慰謝料5万円の支払いを命じたが、掲載請求は棄却した。


 判決で大野裁判長は、公民館は原告が所属する句会が選んだ俳句を3年8カ月にわたり公民館だよりに掲載してきたとして、「原告が掲載を期待するのは当然で、法的保護に値する人格的利益。公民館職員らは思想や信条を理由に不公正な取り扱いをした」として、賠償を認めた。


 また、関与した公民館職員らが不掲載の理由を「十分検討しなかった」と判断した上で、背景として、職員らが元教員などで国歌や国旗など憲法を巡る意見対立を教育現場で目の当たりにしてきたことを挙げ、「(意見対立に)辟易(へきえき)し、一種の憲法アレルギーのような状態に陥っていたと推認される」と述べた。


 一方、不掲載が表現の自由の侵害に当たるかについては「公民館だよりという特定の表現手段による表現を制限されたにすぎず、原告に俳句の掲載請求権はない」と退けた。


 判決によると、句会は2014年6月、「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という原告の句の掲載を求めたが、公民館は改憲の議論に絡み「世論を二分するテーマで、公民館だよりは公正中立の立場であるべきだ」などとして掲載を拒否。市は「公民館側に発行、編集の権限がある」などと棄却を求めていた。


 さいたま市の清水勇人市長は「判決内容を精査し適切に対処する」とのコメントを出した。【内田幸一】

毎日新聞

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